旧松下電工の辻本さんの営業のお話は大変に参考になった。
2014.03.10
ブログ
土曜日、お客様の経営計画の発表会があった。
今年で14回目とのことである。
新大阪のカンファレンスホールで行なったが
大勢の社員、来賓の方々がご参加され壮観であった。
思えば、立派になってきたものである。
さて、その発表会の記念講演として
旧松下電工の住建部門の
営業責任者であられた
辻本和男氏のお話があった。
わたしも大変お世話になった方である。
長年のトップセールスマンの経験と
驚くほどの読書の中から醸成された
お話は大変含蓄と実践のヒントに富んでいた。
伝説の営業マンであられて氏のお話は、
営業マンにむけて
個人のキャリアアップと
管理者として取り組むことに焦点があてられていた。
BtoBの営業マンのスキルアップの
道筋がわかりやすく示され
本人にとっても、上司にとっても
マイルストン、評価のものさしとして
とても役立つものだなあと思った。
簡単にいうと
営業マンのレベルアップは
環境順応型知性→自己主導型知性→
自己変容型知性だという。
行きつく段階は
お客様の経営のコンサルタントができることだ。
まったくそのとおり!
機会があればご紹介したい。
それにもまして
実践的で思わず話に引き込まれたのは
営業チームのマネジメントについてである。
氏は『価値の共有化』をキーワードに
それを時間軸の長さにしたがって
5つの段階に落とし込む。
①は1~3年のスパンである。
これは戦略思考とよばれるところである。
②は3ヶ月のスパンである。
これは方策展開思考とよばれる。
③は月次のスパンである。
これはいわずもがなである。
④週次のスパンである。
これを作戦思考と呼ぶ。
それは変化への迅速な対応である。
顧客との関係を基にした
営業マンの生産性のみなもとに
『信頼の経済』という考え方を置く。
その終結点は『回収』である。
そのためにクレームなどの
処理をきちんとすることが必要だ説く。
そういう観点から
営業マンの課題を正直に共有するためには
日報よりも週報が大切だと説く。
確かにそうだ、
日報だと逃げが効くが、
週報だとストーリーだから逃げが効かない。
上司と部下で問題点を共有し
場合によっては、業務、物流など
他部門とのすり合わせも必要だ。
そのときはJ・ウェルチのいう
ワークアウトでじっくり打ち合わせをする。
そのときこそ
ビジネスマンの人間としての本性が出る。
キーワードは「損をする」をなくすことだという。
そこに営業マンのさもしさが出るからだ。
こうした社内での
業務連携ができれば、
お客様から見ればすごくいい会社となる。
それが企業価値を生むというわけだ。
⑤は毎日だ。これは工夫思考で臨む。
ポイントは稼働時間の確保である。
そのためにいらないことをやめる、やめさせる。
最後に、管理者の心構えである。
「上が成長しない限り、下は成長しない」
これはドラッカーの考え方と同じだ。
そのためにコミュニケーションが大切なのは
いうまでもない。
そのときに重要なのは
説教ではなく、相談に乗るということだという。
それはまさしくコーチングである。
辻本さんのお話は
さすがに電工きっての
辣腕セールスマンから営業トップにまで
登り詰められた体験と努力と勉強に
裏打ちされた良質な実践と理論が
みごとに融合された、
だれにでもわかりやすいお話であった。
さすがである。
ぜひ、機会を作って
わたしたちのお客様にも
聴いていただきたいと思った。
コンサルティングに強い
御堂筋税理士法人&経営エンジン研究所
大阪 税理士 小笠原 でした。