御堂筋税理士法人創業者ブログ

大阪のコンサルティング税理士 小笠原 です。

みなさんおはようございます。

私の座右の書の一冊に、
哲学者で教育学者である森信三先生の『修身教授録』があります。

この本は、森先生が戦前に大阪高等師範学校で
修身科を講義されたときに
生徒たちに書かせた講義録です。

その筆致は、生徒たちの観た森先生の所作などにも触れ、
先生のお人柄、授業ぶりがいきいきと描かれており、
しかも凛とした雰囲気を感じさせるもので
読んでいて、思わず背筋が伸びるのを感じるのです。

私には、正式な意味でライブに師事した師はおりませんので、
ひそかに森先生を師と思い、私淑しているのです。

そのわけは、森先生から人間としての生き方、学び方について、
懇切丁寧にその方法論や手順をお教えいただいたからです。
森先生のお導きによって、私のような原始人(今でもそうですが)も
人間らしい意識をもつことができ、
多くの先哲の考え方にふれることができるようになったのです。

ですから、私は思想学習を始めようとされる方に、
必ずこの『修身教授録』をテキストとして熟読されるように
お奨めするしだいなのです。
理由は、書かれている内容が、深くてわかりやすいからです。

今回、僭越にも「経営の価値観講座」という
トレーニングを事務所で開催させていただくにあたって、
この本をテキストとして使い、
毎回、読後の自省の所感を交換しあって、
思索を深めようとしております。

そのために、私なりに
この『修身教授録』に書かれていることをまとめ、
参加者にさしあげようと思っているのです。


本をまとめてみて、あらためて感じたことは、
この本は、章立てが構造的になっており、
順を追って、人生に対する根本的態度を
学んでいけるようになっていることです。
また各章の中身がとても注意深く
かつ論理的に書かれていることを発見しました。
(余談ですが、こうしてまとめようとして読書をすると、
いかに今まで読んだとはいっても
ほんとうのところ読めていないか思い知らされます)


そこで、ぜひこの際、お忙しいみなさんに
森信三先生の講義の真髄を
お伝えしようと思い立ったしだいなのです。

講座は毎月1回であり、したがって
まとめも月に1回のペースになりますが、
よろしければ、少しでも私が感じた森先生の考え方を
体感していただけたらと思います。

経営の価値観講座 補助資料 「修身教授録のまとめ」

 

第1講 学年始めの挨拶 

人生への基本的態度は天命を素直に受けることであり、
それが修養の目的である。


 いっしょに勉強するというのは不思議な縁である。
縁を大切にして自分を投げ出し合って学ぶことは意味深い。

 師弟関係というものは独特の関係であり利害打算がない。
それゆえによく叱り、ほめることができるのである。

 人生に対する絶対的態度の確立が重要である。
修養の目的は、人生に対する絶対的態度の確立である。

 その態度とは、わが身に降りかかることがらは、
天の命として慎んでこれをお受けすることである。

 言いかえると、もろもろの因縁をかたじけなく思って、
これをおろそかにしないことである。

 

第2講 人間と生まれて 

人生の意義を知るためには、「人身うけがたし」ということを
深く感謝することである。


 人生の根本問題は、私たちは、いかなる力によって、
この世に生をうけることができたのかということである。

 なぜなら、人生の根本目標は、生を受けたことの意義を自覚し、
それを実現すること以外にないからである。

 そしてお互いに、真に生きがいがあり、生まれがいがある
日々を送ること以外にないからである。

 私たちがおむつの取れる年頃まで、
自分の存在についてほとんど知るところがないことは
根本的無知である。

 こういうあり様だから、大人になっても生を受けたことに、
しみじみ辱さを感じることができないでいる。

 人間として生を受けたことに、感謝の念の起こらないうちは、
真に人生を生きるものとはいいがたい。

 この根本的恩恵を、元来与えられる資格もないのに
与えられたと思うにいたり、初めてその意義を生せる。

 

“mso-bidi-font-weight: normal;”>第3講 生をこの国土に受けて 

日本を愛するのは、父母から生まれたという
抜き差しならない因縁からである。


 この気候が温和であり、性質が温和であり、
それゆえ皇室も変わらない日本に生を受けたことは喜びである。

 人間は、平素受けている恩恵について、
深いものほどかえって気づきがたいのが常である。

 私たちが日本人であるのは、父母が日本人であり、
そして血の一滴も父母より受けないものはない。

 『孝経』に「わが身は父母の遺体」といわれるゆえんである。

 私たちが日本を愛するのは、優れた国だからというよりも、
抜き差しならない深い因縁があるからである。

 

第4講 生を教育に求めて 

教育の目的は重大であるがゆえに、
たずさわる者の生き方には覚悟がいる。


 教育の目的は、次世代に国家を双肩に担って
民族の使命を実現してくれる力強い国民を作りだすことである。

 教育ほど、あらゆる職業の中でも
その意義の重かつ大なるものはない。

 仕事の有する意義が尊厳であればあるほど、
従事する資格もまた卓越していることを要求せられる。

 そうした職業を選んだ者は、今後の研修、
言動の上に容易ならざる重荷がかけられているのである。

 二度ない人生を教育に求める人間は、
その道において真に安心立命できる境涯に達しなければならない。

 

第5講 教育者の道 

教師として人生に意義を見いだすには、
生涯学び通すという根本態度の確立が必要だ。


 人に教えるということは、教える者自身が
常に自ら学びつつあるのでなければならない。

 耳慣れた言葉が常に新鮮な響きで心に響くということは、
常に進んで息やまない人のみが至れる境涯である。

 教科書の表面に現れている程度のことがらを教えるだけでも、
相当に深い学識を必要とする。

 いわんや、相手の魂に火をつけて全人格を導くとなれば、
教師の道は実に果てしないことが思い知らされる。

 年齢、人格、学識、社会的地位において
高下さまざまなすべての父兄の信頼を受けるのは至難のことである。

 それに対処しえる道は、人を教えようとするよりも、
ただ自ら学ばねばならぬということである。

 

つづく

コンサルティングに強い税理士小笠原/河原事務所 大阪 小笠原
でした。


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