御堂筋税理士法人創業者ブログ

今朝、地下鉄に乗ろうとして
自宅から、淀屋橋駅に向かって
川沿いをプラプラ歩いていたら

なにやら後ろから男の気配

突然
“Sprechen Sie Deutch?”

「ドイツ語話せますか?」
と聞こえたような気がした。

(そんな奴めったとおらんやろ)

 

横をみると
白人の男が歩調を合わせて
歩いていた。

 

(なんだ、この男は?)
とっさに “Nein”と答える。

 

初めはルンペン旅行者かと思ったが
面構えを見ると
そうでもない、まともそうだ。

ただ少々ご酩酊のようだ。

 

まだ朝の6時過ぎである。
どこで飲んでいたのか?
朝まで空いている
飲み屋でもあるのだろうか?

 

あれこれ思っていると
英語で
フニャフニャ…Girl?
とかなんとか言う。

 

そうか!
女性がご入用なのかと
悟った。

 

以下めんどくさいから
日本語で。

 

「あんた女の子がほしいのかぁ。
残念ながら知らんなあ。
ところでドイツ人なのか?」

「そうだ。
バイエルン、ミュンヘンだよ。」

「ババリア人か!」

 

前にも体験があるが

彼らは、自分たちのことを

ババリア人という。

プロイセンのやつらと

十羽ひとからげで

ドイツ人と呼ばれたくないのだ。

「ああ、ミュンヘン
 ええ町やねえ。何度か行ったよ。」

 

「ところで、日本で何しているの?」
「東北の温泉をうろうろしてきました。」

「旅行か?」
「そう2週間ね。」

 

へえ、それぞれ

いろいろに楽しんでいるのだなあ。

 

「だいぶ酔っぱらっているようだが
ご機嫌だね?」
「ええ、まあ」
「それで女の子がほしくなったんや。」
「まあそんなとこ。」

 

人懐こい男である。

ふと思いついたので

こう言ってやった。

 

「あ、思い出した。
 少し向こうに地下鉄の駅がある。

 淀屋橋駅だが

 そこから地下鉄にのって、

 次の本町で乗り換えるやろ。
 それで九条という駅にいってごらん。」
「そこで女の子がほしいと
 誰かに尋ねたらすぐに教えてくれるよ」

 

いわずとしれた松島遊郭である。
いまでも昭和の風情を醸し出す
昭和の遺産というべきところだ。
なつかしいネオンのきらびやかな色は
この西洋の御仁を楽しませるだろう。

 

(断っておくが、私は
クライアントが近くにいらっしゃるので
前を通ったことがあるだけである)

 

彼はやおら
シティマップやら、
メトロの路線図を出して確認しだした。

 

「これこれC14 kujyo

 ここや。」
と指さした。

 

「アリガト」

 

「ところで、私52歳なんですが
あなたは何歳?」
と訊いてきた。

「僕は64歳だよ…」
と答えると

 

なにやら考えて
「中国の干支でいうと
ドラゴンですね」
とのたまう。

 

よく聞き取れなかったが
しきりに言うので
ああ干支のことだなと分かったしだい。

 

「ああ、そうそう
同じ干支やねえ。」

 

駅までの道すがら
こんなこともあるものかと
おもしろいなと思いながら
地下鉄の改札に降りて行った。

 

「大阪はミュンヘンに似ています。」
「へえ?なんで」
「東京はベルリンみたいですね。
 大阪は親しみやすい。」
「そうそう大阪は
 あけっぴろげやからなあ」

「ええ一日をすごしや!」

 

と声をかけたら
「アリガト」
と丁寧に返してくれた。

よく見ると
灰色がかったブルーの瞳が
割と知性的な男であった。

 

男とはかくなるものかなあ?
朝から、少しおもしろくなった。

 

だが面白がって

ばかりでもいられないかもしれない。

だって、この俺は

ぽんびきか、女衒にでも

見えたかもしれないからだ。

 

それはそれとして

ほんとに行くのだろうか?

仕事がなかったら

こっそりと後ろから

ついて行ってやるのだが。

 

会計事務所と
経営コンサルティングの融合

御堂筋税理士法人&
組織デザイン研究所

ファウンダー 小笠原 でした。


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