御堂筋税理士法人創業者ブログ

先週から、工務店の経営者向けの
『工務店管理術実践道場』を開講しました。

これは、わが恩人の
ランチェスター戦略の人気コンサルタント
佐藤元相先生とのコラボ企画で、
佐藤さんがマーケティングで、経営の中身の工夫で儲けるなら
小笠原は、マネジメントで、経営の進め方の工夫で儲けるというわけです。
これで中身と進め方の両輪がそろいます。
それが経営で業績を挙げるための条件ですからね。

プログラムは、4回シリーズで次のようになっています。
第1回 毎月正しい儲けを把握する(月次決算・原価計算の確立)。
第2回 工務店ビジネスプロセスの全体像を把握する。
第3回 経営のコックピットを設計する。
第4回 コックピットを使いこなして、業績を管理する方法を確立する。

工務店ビジネスにおける儲け方のコツは簡単だと思います。
お客様に訴求する家と暮らし方の提案を作り
集客→受注→打ち合わせ→施工→引き渡し→アフター
というビジネスプロセスの仮説を立て、
それをいかに効果的に、バランス良く、効率的に行ない、
仮説を検証していき、成果を上げるために
いかにアジャストしていくかです。

そのためには、それを検証するためのツールが必要です。
それは次の3点セットです。
・月次決算と儲けのカーナビ(毎月決算予測する)
・経営のコックピット(受注活動量と成果、受注のデータ)
・個別原価管理表

さらに、それらを使いこなす訓練が必要ですね。
それが管理術道場で学ぶ目的と内容です。

さて本道場、小グループゼミ形式の講座です。
小グループゼミという進め方のよいところは、
個別コンサルに、集合研修による情報交換の良さを取り入れられ、
しかも参加者にとってコストが安いことです。

今回も、大阪、京都、和歌山から
5社の工務店さんがご参加くださいました。

最初に、皆さんに自己紹介と抱負をお聞かせいただきました。
次に、私が現在、あるお客様の工務店グループに
どのような指導をさせていただいているか、
それは、どのような成果をあげているかをお話しました。

さっそく、各社の決算書と試算表を拝見しながら
皆さんの会社が、毎月正しい儲けの数字をつかんでいるか
チェックしていきました。
(ちなみに、当然のことですが、参加者には、
他社のふところがある程度相互にわかることになるので
守秘義務の誓約書をいただいております。)

まあ、長年決算書や試算表を見ておりますので
一見すれば、どの程度のレベルかはすぐにわかります。
ぐるっと、テーブルを回って、だいたいの内容がつかめたので
ホワイトボードに各社別に比較しながらまとめていきました。

――――――――――――――――――――――――――――――――
                 A社    B社    C社    D社    E社
正|売上のあげ方
確|仕入のあげ方
化|仕掛りの処理
   粗利益の精度
個別の原価集計
月次決算スピード
税理士からの報告
経理処理の力
税理士のコスパ
―――――――――――――――――――――――――――――――――

no title

たった5社の事例ではありますが、そこでわかったことは次のことがらでした。

・1社を除き、施主さんからお金をもらったら売上をあげている。
 (正しくは、完成引き渡し時に売上をあげる)
・1社を除き、仕入先や協力会社に支払をしたら仕入をあげている。
 (正しくは、仕入が起こった月に仕入をあげる)
・1社を除き、毎月工事中の現場の仕入金額を棚卸処理していない。
 (正しくは、毎月未完成現場に対する仕入は棚卸処理して利益計算から除く)
・したがって、1社を除き、毎月の粗利益はつかめていない。
・現場ごとに原価の集計は、レベルのちがいはあってもしているか、しようとしている。
・税理士さんからの報告、助言はほとんどない。コストは1社(これはべらぼう)をのぞき妥当。

それらは、それはそれは興味深いことでしたが、
また一方、そうだろうなと思っていたとおりでした。

各社別にくわしくお聴きしていくと、
いろいろな問題、制約条件などが出てきました。

あれこれ、調べ、税理士さんに相談してほしいことがあるのですが
あいにく、社長さん方にはそれを説明する知識がないのです。

そこで、私が皆さんといっしょに考え、打ち出したことは、
工務店経理処理チェックリストを作って、
それを税理士さんに渡し、検討してもらうということでした。

私がいろいろお話をしていくと
皆さんの眼の色が変わっていくのがよくわかりました。
それは月次決算の大切さと、わが社のできていない度がわかってきたということ
そして、税理士の役割や要求できることすべきことが
想像もしていなかったくらい広かったということでした。

ということで、とっても有意義な第一回目でした。
そのあと、弊社の才木が、参加者有志の方々と食事に行った折、
「税理士の役割に対する見方が180°変わりました!!」
とおっしゃっていたそうです。
ぜひ、そうあってほしいと思います。
それがわが社と担当税理士の価値の向上に
とても有意義だからです。

コンサルティングに強い 御堂筋税理士法人&経営エンジン研究所
大阪 税理士 小笠原 でした。

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