生産性を上げるという経営課題をどう進めるか
2012.02.09
ブログ
岡山の中国銀行さんの後継者育成塾で
経営計画を作るレクチャーを担当させていただいた。
その内容は、ドラッカーのいう経営者の課題
・マーケティング
・イノベーション(革新)
・生産性向上
・人材育成
という4つのテーマについて考えてもらうというものだった。
その中で生産性の向上というテーマを
お話ししていて気づくところがあったので
皆さんと共有をしておきたいと思った。
会社の業績は
(売上高-変動費=粗利益)- 経費 = 利益
で計算される。
もちろん、P/Lではそう計算するが
生産性では、これを割り算で表わす。
生産性とはなにか?
まず経営者はこれを理解しておく必要がある。
それは例えば、人間の生産性の場合
粗利益/人件費
で表わす。
もっと本質をいうと
生産性= 粗利益(=成果) ÷ 人件費(=活動) である。
つまり生産性とは、
成果と活動、OUTPUTとINPUTの関係、
活動がどれくらい成果をあげるかの変換効率をいう。
しかしこれを単なる割り算と捉えてはいけない。
活動が成果を生みだす、変換率と考えなければならない。
あくまで活動の効果性に焦点を当てることだからだ。
生産性はいく種類か捉えておかなければならない。
・人の生産性
・お金の生産性
・設備の生産性
・経費の生産性
特に人の生産性がもっとも大事だ。
それは人件費がもっともお金がかかるし
人の働きが成果を生みだす元だからだ。
そして生産性を考える場合
きちんと活動をしているのかという問題と
その活動が成果に結びつく切れ味である。
これが生産性を考える根源だ。
そして、さていよいよ
わが社の生産性を高めるという課題に入るのである。
その場合、わが社の生産性を高める
もっとも大事な業務は何かである。
それは大きく次の4つに分かれるだろう。
・営業のプロセスの生産性
・業務のプロセスの生産性
・生産のプロセスの生産性
・サービスのプロセスの生産性
このうちどれがわが社の生産性を
左右する問題かである。
新規開発の営業であれば
マーケティングでいうAIDASモデルを使い
A(認知)→I(関心)→D(欲求)→A(購買)→S(ファン化)というプロセスで
求めるAの量(例えば新規顧客開設口座数20社、売上5,000万円とか)を
ベースに(それを答えとして)、それに必要なA、I、Dの必要量=活動量を
A→I、I→D、D→Aへの転換率(営業の成功率)を加味して
決めていくことが必要だ。
こういうモデル=仮説=基準があってこそ
実行してみての成果、効果性、活動量の検証ができるというものである。
同じことは生産にもいえる。
業務やサービスでは、なんといっても、
「いかにして人を少なく、サービス水準を下げることなく、むしろ上げていくか」
を考えて仮説を立てなければいけない。
大いに、皆さんの
論理思考力、数字組み立て力が問われるところである。
考えて、仮説を立て、それを実践してみて
思考錯誤で改善していくと
どんどん成果が挙がるのである。
経営改善のおもしろいところである。
スポーツが、肉体のゲームなら
経営は、思考のゲームである。
コンサルティングに強い税理士法人小笠原事務所 大阪 小笠原
でした。