御堂筋税理士法人創業者ブログ

「気に入らないかもしれないが、

外部の視点を導入することである。

私が小企業において

外部取締役会の必要性を説く

主な理由がこれである。」

 

1954年発刊、ドラッカーの名著

『現代の経営』の一節である。

 

そのとおりだと痛感している。

私がその立場になりうるからという

手前みそだけではなく、

私自身が自分の経営で

そうしてきて、その効果を

実感したうえでそう思うのである。

 

弊社の外部者は、

(今や一体であるが)

コンサルタントの本山雅英氏である。

私は、氏の能力、心映えを

心より、信頼し、尊敬している。

 

さて、

ドラッカーが上記のことを述べた

『現代の経営、第18章

小企業、大企業、成長企業』

を要約してお示しする。

非常に有益なので

ぜひお読みいただきたい。

 

『現代の経営』全部の要約は

弊社のHPの

資料のダウンロード

(トップページ、最下部左に表示)

のところに挙げているので

DLして一読をお奨めする。

 

――――――――――――――――――

小企業の課題とマネジメントのちがい

中小企業の最低の士気は、

ワンマン社長がいかなる反対も許さず、

すべての意思決定を

自ら行おうとする企業に見られる。

 

最悪のコミュニケーションも、

社長が自らの胸にすべてを納めている

という典型的な中小企業に見られる。

 

最悪の組織構造についても、

みなが4種類もの仕事を担当し、

誰が何を行っているかさえ

わからない中小企業に見られる。

規模の大小は、

マネジメントの組織構造に

大きな影響を与える。

 

規模のちがいが、

マネジメントの組織構造に対し、

異なる行動と異なる姿勢を要求する。

 

そして、規模の大小以上に

マネジメントの組織構造に対し

大きな影響をおよぼすものがある。

規模の変化すなわち成長である。

企業の規模をはかる基準は、

マネジメントの構造、

特にトップマネジメントの構造である。
 

企業規模の段階は4〜5の段階にわかれ、

それぞれにおいて特徴と問題をもつ。

ⅰ.個人企業

  …社長と各担当従業員が直結している。
ⅱ.小企業

  …社長と従業員の間に

   マネジメントの階層が一つ存在する。
ⅲ.中企業

  …業務の遂行に関わる仕事には

   専任の人間を必要とする。
(以下大企業、巨大企業は省略)

中小企業の抱えるマネジメントの問題

ⅰ.規模が小さすぎるために

 必要なマネジメントを

    もつことができない。
ⅱ.同族企業では

 しばしば上席のマネジメントの地位は

 同族によって占められる。
ⅲ.視界の狭さや外部との接触の少なさ

対策
 

究極の対策は、

合併あるいは買収によって

事業を拡大すること。
 

とはいえすぐにできることは

外部の視点を導入することである。

一族の者には、

実力に基づかずに

仕事を与えてはならない。
 

最も重要な原則は、

計画、思考、分析を

おろそかにしないこと。

 

年に一週間は、

計画や反省のための会議に

時間を割く必要がある。

しかも、そのような会議は社外で開き、

上層部が全員参加することが必要である。

きたるべき5年間において

必要とされることに焦点を合わせ、

あらゆる領域について

目標を設定しなければならない。
 

成長とマネジメント
 

小・中・大・巨大企業の問題は、

それぞれの段階が

連続した過程のステップでないことである。

 

成功するための要件は、

マネジメントが自らの姿勢と行動を

大胆に変える能力である。
 

規模が大きくなれば、

トップマネジメントは、

上から下へのコミュニケーションよりも、

下から上へのコミュニケーションを

確立することに力を入れる必要がある。

 

企業の成長は

トップマネジメントに対し、

諸々の原理の理解と適用、

組織構造の重視、目標の設定、

マネジメントの各階層における

責任の明確化を要求する。

人間性をもって、

成果に代えることはできない。
 

成長に成功するには、

マネジメントの組織構造を変え、

トップマネジメントの姿勢と行動を

変えることの必要性を

認識することが必要である。
 

――――――――――――――――――

 

さて、前置きが長くなりすぎた。

私がブログったかったことは

中小企業に外部者として

関わる者にとって

必要な役割と心がまえとは何か?

ということである。

 

外部者の役割とは、

経営において必要と思われる

内部者と異なる視点を提供する

ことである。

 

そのために必要な心がまえとは?

 

ⅰ.こころからその会社の

  発展に力を貸そうとする思いである

 

ⅱ.経営者・オーナーの思い、

  願いに通じることである

 

ⅲ.その会社のビジネス構造、

  幹部・人材と彼らの思いを

  理解することである

 

ⅳ.これは言わなければならない

  ということを言う勇気を持つことである

 

  そのためには次の2つの考え方を

  自らの信条として持つことである

  ・意思決定には

   反対意見・多様な意見が必要である

  ・フォロワーシップとは

   心からの協力と

   リーダーの誤りに対して

   率直な進言をすることである

 

ⅴ.経営の勉強を徹底して行うことである

 

  それには2つの方法がある

  ・経営について読書する

   経営、歴史、倫理、論理、

   算数、PDCA、心理学…

  ・経営の体験を積む

 

ⅵ.そのために先哲に学ぶことである

 

  先哲…ギリシア・ローマの偉人たち

  たとえば、小カトーなど

  トマス・モア、吉田松陰など

  限りがない

 

ⅶ.そして修養し続けることである

 

  曇りのない心で話を聴くこと

  相手を手助けすること

  自分が何をすれば貢献できるか

  とらわれのない心で考え行動すること

  常に自らを問い、ふりかえりつづけること

 

このごろ、コンサルタント会社、

銀行、税理士の業界を

見たり、接したりして

つくづく思うことは、

 

会社は、彼らのためにあるのではない!

ということである。

 

私たちが、会社のためにあるのである。

 

できることがあれば貢献し、

必要なくなれば、従容として去る

ということである。

 

経営コンサルティングと

会計事務所の融合

 

組織デザイン研究所&

御堂筋税理士法人

 

小笠原 でした。

 


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