リーダーには説得力のある弁論術が必要だ
2019.11.09
経営者へのメッセージ
近ごろ、
さまざまなセミナーで話をしていて、
言葉に力が入ってきたかなあと
思うことがある。
これは、ある面、
年寄りの頭の結晶化にも通じて
危険でもあるが。
自分の話しを
客観的に確認しようとすると、
ビデオに撮って見なければならないが、
わたしは恥ずかしくてできない。
そこで、受講者の方々の反応や
フィードバックをいただくことで
確認することになる。
ばかな自慢話になるかもしれないが、
過日セミナー後の懇親会で、
妙齢のご婦人の受講者に
「先生、半端なく色気がありますねえ」
と言われた。
最高の魔法のような誉め言葉に、
天に舞い上る気分だった。
そして、ますます頑張ろうと思った。
セミナーの講師として、
ふつつかながら
少しでも皆さんに
わかりやすくためになるようにと
効果性を高めようと
思ってしていることがいくつかある。
それらをご紹介しておきたい。
1 できるだけ説明を少なくする
定義は短くいう、結論からいう、
要約でいう、すじ道立てていう…
むしろ書いてあることを
黙読してもらうことが多い。
これは、自主的に
脳を活躍してもらうためである。
話し方についても工夫している。
2 ひらがなで話をする
専門用語ご法度は、
ドラッカーさんとソクラテスの
アドバイスである。
「スペシャリストにとっては
コミュニケーションが問題である。」
(P・ドラッカー)
「大工に話すときは
大工の言葉を使え。」
(ソクラテス)
3 事例、ストーリー、体験談で話す
なにしろ事例や実体験談には
説得力がある。
「神話の法則」という本がある。
一度、お読みになることをお勧めする。
5 たとえで話す
これははまると、聞く方には
超わかりやすく、また受ける。
たとえ話をうまくなるアドバイスだが
あることを、ほかのもので
イメージする。
そのイメージは勝手に湧いてくるので
なかなかコツをお伝えできない。
6 深い話しをする
そのことの本質や目的、
哲学、現象の理由などに言及する。
不変の真理を見抜き、
ずばり指摘することだ。
そのためには、
本をいっぱい読むことである。
「深いなあ!」と感じてもらえれば
もう勝ちである。
7 思いを込める
ねがい、祈り、怒り、
だから言葉が強くなり、断言になる。
8 緩急をつけ、快活でユーモアがあること
そのままだと一本調子で、
また生真面目で場が重くなる。
きびしい表情のあとにニヤッとする。
破顔一笑もよい。
そこらあたりは演出だ。
経営者やリーダーは
人前で話をすることも多い。
西洋では、それゆえ弁論術が必須の学となった。
話しが上手ければ、
それだけでリスペクトされる。
私の弁論術のお手本は
教科書的な、
キケロ(※1)や
クインティリアヌス(※2)ではなく
実際の
アレクサンドロス大王と
カエサルの演説だ。
※1 「修辞学」
※2 「弁論家の教育」
「アレクサンダー大王東征記」や
「ローマ人の物語」などを
ぜひ読んでもらいたい。
この人なら、ついていきたいと
胸が熱くなること請け合いだ。
参考にしていただければうれしい。
経営コンサルティングと会計事務所の融合
組織デザイン研究所&御堂筋税理士法人
小笠原 でした。