御堂筋税理士法人創業者ブログ

皆さんご承知おきかもしれないが

私は、事務所で毎月

ドラッカー講座を開いている。

(ご興味があればどうぞ)

今月から

経営に必要なスキルの話に入る。

ドラッカーは冒頭こう書いている。

 

「マネジメントは仕事である。

したがって

一定のスキルを必要とする。

(1)意思決定のスキル
(2)コミュニケーションのスキル
(3)管理のスキル
(4)分析のスキル、

すなわち

マネジメント・サイエンスの

スキルである。

 

何びとといえども、

これらのスキルすべてに

習熟することはできない。

しかし、これらのスキルが、

そもそもいかなるスキルであり、

何をすることができ、

何を要求しているかを

知ることはできる。

これら基本的なスキルについては、

一応の知識は

もっていなければならない。」

つまりドラッカーは

4つのスキルを

挙げているのである。

昨日も、ある勉強会で

私が伝えたいことを

PDCA、コーチング、思考力

の3つに集約したが

ほぼおなじ話である。

その一発目が

意思決定のスキルなのある。

なんやそれ?大事なん?

そうです。大事やねん。

なぜか?

そりゃ経営者は

ものを決めるのが仕事だからだ。

「意思決定のほかにも、
 経営者が行なうべきことは多い。

 しかし

 意思決定を行なうのは

 経営者だけである。

 したがって、
 経営者のための

 第一のスキルが、
 意思決定の方法論である。」

ほんま、そのとおりでっせ!

これ腑に落としてほしい!

以下はご興味のある方だけ

読んでくださいな。

――――――――――――

ところで、ドラッカーは

日本のものの決め方を

絶賛している。

それ何?

日本式とは

ものを決める初めの段階に

しっかり時間を掛けるらしい。

そして決まったら

怒涛のごとく進める。

さてそれのどこがいいのか?

ドラッカーは

できる経営者の意思決定の

コツを次のようにまとめる。

①何が問題なのかの

  共通の理解に時間を掛ける。

②まず意見をもつ、もたせる。

③いっぱい反対意見を出させる。

④すなおに人の意見を聴く。

⑤関係者全員巻き込む。

⑥実行責任者、実行方法

  チェック方法なども決めておく。

⑦実際に自分でチェックする。

実際に本を読むと

むずかしいことが書いてある。

が、よーく読んで考えると

そのとおりなのだ。

くわしくは

僕が解説する話を聞いてね。

でも一応

ブログ上でも書いておきます。

たとえば

事実ではなく、意見からスタートせよ

と書いてある。

どういう意味やねん?

「意思決定は判断である。

 成果をあげる者は

意見からスタートする。

事実からはスタート

できないことを知っている。

しかし意見は

検証の仮説にすぎず、
 現実によって

検証しなければならない。」

「事実とは、

何かについての事実であり、

それは何が正しいか、

あってほしいかの基準がなければ、

なりたたないものである。

事象は事実ではない。
 つまり事実とは、

何かの希望すべき状態に対する現状をいう。

ここが哲学的なのである。

ここでつまずきかねない

ここがわかったら

すっとするのである。

だが、ここが意思決定の話の

もっとも重要な理解すべき点だ。

「したがって、決定は、

 共通の理解と

対立する意見、競合する選択肢を

めぐる検討から生まれる。」

「答えの違いの多くは、

何についての意思決定かについての

認識の違いから生ずる。

問題の認識の違いが

答えの違いをもたらす。

したがって、いかなる
 認識の仕方があるかを

明らかにすることが

効果的な意思決定の第一歩である。」

「意思決定も、科学と同じように

仮説が唯一のスタート地点である。…
仮説は、論ずべき ものではなく、

検証すべきものである。」

つまり問題解決には

こうありたいという意見が

まず必要だということ。

そのあと

現状はどうなっているかを

調べなければならないというわけ。

そして

それを関係者全員が

共有できたら

問題は解決したも

同然だというわけである。

実際に僕が

お客様と関わったり

自分の会社の経営をしていて

そのとおりだと思うのだ。

次に経営者が

心しなければならないことは

反対意見を出させるということだ。

なぜなら

私だけかもしれないが

狭量な人間には

得てして反対意見に

感情的に反応する

くせがあるからだ。

でも反対意見が

ぎょうさんあるほうが

よい議論や

質の高い決め事ができるのは

論を待たない。

経営者諸君!

よく心得よう。

高い見識を示す

次の言葉は胸に響く。

「一つの行動だけが正しく、

 他の行動はすべて間違っている

 という仮定から
 スタートしてはならない。

 「自分は正しく、彼は間違っている」

 という仮定から

 スタートしてもならない。

 ただし、意見の不一致の原因は

 必ず突き止めなければならない。」

「明白でわかりきったことに

 反対する者を、

 ばかか悪者に違いない

 と思ってはならない。

 反証がないかぎり、

 反対する者も

 知的で公正であると仮定する。
 「自分とは異なる現実を見て、

 異なる問題に気づいている

 に違いない」
 「もしその意見が

 知的かつ合理的であるとするならば、

 彼はどのような現実を見ているのか」

 と考えなければならない。」

「成果をあげる者は、

 何よりもまず、

 問題の理解に関心をもつ。

 誰が正しく、誰が間違っているか

 などは問題ではない。」

「いかに感情が高ぶろうと、

 またいかに相手側が間違っており、

 筋が通っていないと確信しようと、

 正しい意思決定を

 行おうとするならば、

 代案を十分に検討する

 ための手段として

 反対意見を見なければならない。

 重要な問題のあらゆる

 側面を見るための手段として、

 意見の対立を使わなければならない。」

すばらしく、感動的ですらある。

この教えをいただくだけで

十分におつりがくる

のではないだろうか。

そして、実行段階である。

「効果的な意思決定とは、

 行動と成果に対する決意である。

 決定を行ったあと
 でその決定を売り込まなければ

 ならないのでは、

 行動は起こされない。」

 ※行動を起こすことに

   ハードルがあるようであれば

   それ以前の問題である。

   そんなのは子供である。

ポイントは

1.決定の実行者、妨害者は

  論議の中に責任をもたせて

  参画させておく。
2.決定の中に

  実行の手順と責任を

  組み込んでおく。

めっちゃ、大事やなあ!

企業の経営方針に

よく見られる状況は、

「いわゆる経営方針の多くが、

 行動にいたるまでの措置について

 何も盛り込まれていない。

 実行が誰の仕事にも、

 誰の責任にもなっていない。」

あるある。

ほとんどの会社の

経営方針、経営計画は

そうとちがうかなあ。

「決定を実施に移し

 成果をあげるためには、

 関係する人たちが

 行動や習慣や姿勢を

 変えることが

 必要になることがある。

 …(その場合)評価の基準や
 仕事の水準、動機づけを

 変えなければならない。」

そこまで

手当せないかんねん。

わかりました!

意思決定の

最後のとどめは

実行結果の確認である。

「最後に、

 意思決定の前提を検証するために

 必要なフィードバックのしくみを
 つくらなければならない。」

「(意思決定後の状況が

 想定通りに進展することは

 少ないから)

 成果からのフィードバックがない限り、

 期待する成果を

 手に入れ続けることはできない。」

「フィードバックのポイントとは
 1.決定の前提となった予測を

  はっきりさせておかなければならない。
  書き出しておく必要がある。
 2.決定の結果を

  体系的にフォローしなければならない。
 3.フィードバックのしくみを、

  実行段階の前につくりあげておくこと。」

われわれはしているだろうか?

けっしてむずかしいこととちがう。

最も効果的なフィードバックとは…

「決定を行った者が

 自ら出かけて確かめることが、

 唯一の信頼できるフィードバックである。
 現実に直接触れることを中心にして

 フィードバックを行なわないかぎり、
 すなわち自ら出かけて

 確かめないかぎり、

 不毛の独断から逃げることはできず、

 成果をあげることはできない。」

つまり基本

自分の目で確かめろということだ。

社員任せではだめだ。

ここらあたりが

ドラッカーの神髄だな。

パーフェクトである。

こんな感じで

読み込んでいくと

ドラッカーさんに

直接家庭教師を

していただいている

気分になる。

最高の学びだ。

ドラッカーの教えを

すなおに訊けば

よい経営者になることは

まちがいないと

何百回目かの

納得をするのだった。

会計事務所の可能性を追求する

御堂筋税理士法人&組織デザイン研究所

大阪 税理士 小笠原 でした。


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