御堂筋税理士法人創業者ブログ

過日、大学のゼミの同級生で

忘年会をした。

卒業以来、初めてのことである。

 

余談だが

現役のころは忙しく

集まるゆとりもなかったが、

リタイアすると集まりだす…

『鮭の遡上』みたいなものである。

 

私たちの同学年は

全員で7人しかいないが、

その夕べ、集まったのは

在阪の5人全員。

 

さて、そのうちの一人が

若いころから

なかなか有能な男で、

某メーカーのトップ役員を務め

先刻リタイアした。

 

まだまだ

のんびりする輩ではない

と思っていたら

さもあろう、

スカウトされて働き出した。

 

勤め先というのが、

M&A戦略で有名な

カリスマオーナーN氏率いる

N社である。

 

さて当然、

忘年会での酒のあては

彼の会社の話となる。

 

Sがさも言いたそうに口を開いた。

 

「あの会社なあ、

あちこちからの転職組が

いっぱいおるんやが・・・」

 

カリスマ経営者のN氏は

あけすけで

なにごとにつけ

包み隠さずにいうらしい。

 

「T社(最近世間を騒がせた

某電機メーカー)

からの転職組の

離職率は97%や!

 

P社(これも電機メーカー)は94%!

S社(これもそう)もそう!」

 

つまり、これらの会社の出身者を

ざるで魚をすくうように

ごそっと採用してみたが、

ほとんどが続かなかったという話

 

さもありなんとも思う。

大企業の人材が、

超ワンマンオーナーで

のし上がってきた企業で

務めをまっとうするのは

大変だろうからなあ。

 

Sがいう、

「ところでなあ、

N氏がよう

『3つの経営』ということを

言いはるのや。」

 

と、いまどき、めずらしい

煙のゆかしい煙草を

チェーンスモークしながら

まくしたてる。

 

「なんやそれ?」

と当然他のメンバーは聞き耳を立てる。

 

「まず『井戸掘り経営』や。

井戸掘り経営とは…

金や石油は掘っても

出てくるかどうかわからん。

千三つやろう。

せやけどな、

水は掘れば

必ず出てくるというわけや。

 

せやからな

取組んだことは、

しつこく、儲かるまでやれということや!」

 

「なるほど」

一同納得して、次をせがむ。

「ほんで、2つ目はなんや?」

 

「二つ目はな、『家計簿経営』や!」

 

「???…なんやそれ?」

 

「家庭の主婦は、

ご主人の給料が減ったら

それに合わせて出費も減らすやろ。

会社もそうせいということや!」

 

「そらそやな、もっともやな!」

と一同納得した。

さすが、伝説的オーナー経営者である。

いうことが大胆で簡単である。

 

「最後は?」

 

「最後は、『まな板経営』!」

 

「???」

 

「まな板の上でネギ切るやろ。

そのときは手元をよう見るわな。

経営も一緒でしっかり手元を見ろ!

というわけ」

 

「なるほど、データを細分化して

しっかり分析せいということやな!」

とこざかしいあいずちを打った。

 

「その通り!ヒヒヒ…」

 

学生のときから変わらない

おもろい人間の話を

とてもうれしそうに語ってくれた。

 

Sはもともと話し上手で饒舌だが

この手の話は得意である。

 

色々な普段聞けない

おもしろい話を聞かせてもらい

私はお酒が進んだ。

 

「Nさんはヒトラーで

だれでも呼び捨て、

せやけどな、

不思議に俺だけさん付けやねん。」

 

「月1回、会議あるねん。

最後に『なんか意見あるか?』

いいはんねんけど、

誰も何も言えへんわけよ。

 

俺は手あげて

『ちょっとええですか?』

とこんな調子や。

 

『なんや?』いいはるから

『ワシ、これこれ思いますねんけど

やってええですか?』いうたら、

『好きなようにやって見い』

というわけや」

 

ここは自慢させておこう。

それだけの価値はあるだろう。

 

機嫌よくやっているようである。

よかった、よかった。

 

「まあ、それだけ

respectしてはるということちゃうか?

ひょっとすると、

お前、社長やらされるのとちゃうか?」

と私は半分冗談、半分本気で

持ち上げた。

 

「それはないわあ・・・ヒヒヒ」

 

しかしよくわからないが、

私はN氏のような人にとって

この劇薬のような男は相性がよく

彼がいたら

とても助かるのではないかと

直観的に思った。

 

ぜひ、頑張ってもらいたいものだ。

こころからそう思った。

 

経営コンサルティングと

会計事務所の融合

 

組織デザイン研究所&

御堂筋税理士法人

 

小笠原 でした。


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