御堂筋税理士法人創業者ブログ

M・セルバンデス著、

『ドン・キホーテ』を読んだ。

 

今さら?遅すぎるやろ!

そのとおり!

 

少年少女世界文学全集で

中学生までに

読んでおくべきものですもんね。

 

あまつさえ、さありきに

アマゾンでポチってから

10年を経てやっと読んだのだから

周回遅れの人生

と言われてもしかたない。

 

――――――――――――――――

 

それにしても

何なのだ!?この作品は??

あっけにとられてしまった。

 

大げさに言うと

寝食と深酒は忘れなかったが

仕事は忘れてしまって

没頭して読んでしまった。

 

どう形容すればいいのか?

 

感奮興起

才気煥発

抱腹絶倒

豪華絢爛

 

博学多才

高論卓説

古今無双

縦横無尽

 

筆舌に尽くしがたい名作である

グレート・イヤーで

1本だけ残った銘酒

ロマネコンティのよう、

価値のつけようがない。

スペイン・バロックの

計り知れない巨大な黒真珠。

 

さて、その内容は

話の詳細は知らずとも

だれもが一度は耳にしたことはあろう。

 

狂気・時代錯誤の騎士

ラ・マンチャの男 ドン・キホーテ

やせ細った迷馬 ロシナンテ

その従士 サンチョ・パンサ

 

彼らが繰り広げる遍歴の旅

そこで繰り広げられる

狂気と現実の入り乱れた

万華鏡のようなおびただしき出来事’s

 

(余談だが

初めて女の子とデートして見た

ピーター・オトゥール主演の

ミュージカル映画

『ラ・マンチャの男』の挿入歌、

『見果てぬ夢』を思い出す

ちなみにその女の子とは

いまでも同居している)

 

倫理を諭すときのすばらしい高説と

騎士道に瀕した折の狂気

周りの人たちの阿鼻叫喚とやさしさ

 

そうした中で

旧い世界構造が批判され

時の世間が揶揄される

 

そのうちに

なにがまともで、なにが変なのか

だんだんわからなくなってくる。

 

その中に、

地に埋まったダイヤモンドのように

とてつもなく芳醇なロマンスが挿話される

 

さらに、

ドン・キホーテの本が出版され

ドン・キホーテの物語を知っている

登場人物たちがたくさん現われ

彼らがまたドン・キホーテ主従の

冒険にからんでいく。

 

まことに複雑で、重層で、

虚実織り交ぜた、

すごい構成となっている。

訳者は解説の中で

いみじくも

これは自己省察の小説であると

語っておられる。

まさん空前絶後の大小説である。

 

ホメーロスの

「イーリアス」や「オデッセイ」や

ウェルギリウスの

「アエネアス」や

三国志やトルストイや

ドストエフスキーのような。

 

ドン・キホーテの至言、箴言

サンチョ・パンサの尽きぬ泉のような諺

作者の才気を示すソネット(14行詩)

 

それらを

訳者 牛島信明さんが

原作の香気や、かくたりきと

再現してくださる。

 

そして

ギュスターヴ・ドレの挿絵が

ショートケーキにのったイチゴのように

文章を引き立てる。

 

(岩波文庫 ドン・キホーテ)

 

「そもそも神を畏れることが

知恵の始まりであるというのに…」

 

「何よりも真理の擁護者

そのために一命を失おうとも

真理を守るような人間で

あらねばなりません。」

 

「幼い頃から

子供たちを美徳と、よい躾と、

キリスト教の正しい慣習へと

導くのは親の務めじゃが…」

 

「富を手にすること、

それ自体が富の所有者を

幸福にするのではないぞ。

そうではなく富を使うこと、

それも正しい使いみちを

心得ていることこそが

所有者を幸福にするのじゃ。」

 

ちょっとページを繰っただけで

引用に事欠かない

ドン・キホーテの名言である。

 

小生のでたらめな

トーンと対象にあわない

たとえとは大違いな

サンチョ・パンサの

的を射たり、少し外したりする

ことわざ、箴言については

読んでのお楽しみ。

 

最後にこのドン・キホーテ

さて、彼のような生き方を

していきたいと思わせる

アンチ・ヒーローたるヒーロー!

 

日本で言うならば

高倉健とは言わないが…

さて、寅さんかなあ。

今でも、現代のドン・キホーテ

などと表現される

かっこ悪くもかっこいい

永遠のヒーローではないだろうか。

 

今から400年前

大阪夏の陣の前の作品なのである。

 

・・・連休の始まり、

ちょっと、興奮したので

ご紹介してみた。

 

ところで

それにしても、グーグルで

ドン・キホーテを検索すると

ぜんぶ、あのドンキが出てくる。

 

・・・悲しすぎる

どないかならんだろうか?

 

経営コンサルティングと

会計事務所の融合

 

組織デザイン研究所&

御堂筋税理士法人

 

小笠原でした。


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