御堂筋税理士法人創業者ブログ

要約

1 POST経営のPは戦略計画である

2 戦略計画とは、戦略の仮説を立て、それに取組み、試行錯誤し、効果を検証し、経営を進化させる一連のプロセスである

3 戦略を考える思考ツールはたくさんあり、自分の感性に合ったものを使えばよい

1 戦略計画の意義

 私が提唱するPOST経営の最初のPはPlanつまり戦略計画のことです。経営計画を中心とした経営が経営の基軸です。この場合、計画とは硬直的なものではなく仮説です。私の経営論は進化論がベースになっています。つまり環境に最も適した者が勝ち残るということです。そのためには相手に秋波を送りつづけ、反応を見ながら進むことが必要です。その前提となるものが、このようにすればうまくいくのではないかという戦略仮説であり戦略計画です。

2 戦略の意義

 戦略については本連載の第2回で基本的な内容を紹介しました。戦略とは勝つための方法論であり、それは孫武の『兵法』に明らかなように兵力で相手より優位にあることです。ドラッカーによれば、小さな企業では使える人もお金にも限りがあるため、的を絞り込んでそこでNo1になることが不可欠です。つまり『ニッチNo1』が方略となります。

 ですから、戦略計画とは、軍事的に例えれば敵を特定し、敵に勝つためにその機会を見出し、勝つための方策を立案することです。ビジネスでいえば、わが社が人気No1になれる分野を特定し、いかにしてNo1の地位を得るかの基本プランを言葉にすることです。なぜなら人は何かを買ったり利用したりする場合にはいちばん好きなものを選ぶからです。ビジネスはほぼ一位総取りのゲームですからNo1が大儲けするわけです。

3 戦略を考える方法

 ではどのように戦略を想起し定めていけばよいのでしょうか? まず直観的に考える方法があります。次に分析的に考える方法があります。分析的に考える場合には、主としてビジネスの環境を分析するのか、あるいは自社の能力を分析するかです。さらにデザイン的にまとめる方法もあります。次にその方法論をまとめて紹介しておきます。

【戦略を考える方法】

直観的 片づけるべき顧客の用事 お客様の問題解決を言語化
直観的 ドラッカーの5クエスチョン 事業、顧客、顧客のニーズ、将来など5つの質問で言語化
マクロ環境分析 PEST分析 P:政治、E:経済、S:社会、T:技術のインパクトを考える
競争環境分析 5フォース分析 ライバル、仕入先、顧客、新規参入、代替品の5つの競争要因
自社能力分析 経営5機能分析 トップ、販売力、生産力、財務、人事の強み弱みを考える
自社能力分析 マッキンゼーの7S 組織の戦略や構造の特徴を考える
環境・能力総合 SWOTクロス分析 能力を強みと弱みに、環境をチャンスとピンチに分けて考える
環境・能力総合 3Cクロス分析 自社と顧客、競合と顧客、自社と競合について考える
環境・能力総合 シナリオ・プランニング 起こりうる未来の構図を複数選び対処策を作っておく
環境分析的 製品・市場マトリクス 既存の増販、顧客開発、製品開発、多角化で具体的に考える
デザイン的 ビジネスモデル・ジェネレーション 顧客価値創造と経営資源、外部パートナーシップを考える

 これらは一例ですが、このように経営の思想家によってさまざまな取り組み方が提唱されていますので、カナダの経営思想家、ミンツバーグは『戦略サファリ』と呼んだくらいです。

4 実際の取り組み方

私がお客様と取り組む場合には大分して三つの方法を使い分けします。

 一つ目は、すでに戦略がイメージできている場合です。それは、すでにわが社が業界や地域No1かそれに準じた立場であり、けっこう儲かっていてこのままいけばよいというケース、あるいは自分なりに今していることに手ごたえがあるケースです。この場合には直観法を使います。

 二つ目は、今が凡庸な会社であるか、あるいはこのままいけば将来はないといった場合です。そうだとすれば勝機を見つけるべく綿密で漏れのない思考が必要です。この場合には分析的、つまり経営環境の未来そこにあるチャンスとピント、わが社の強みと課題を見定め、わが社の強みを活かして機会をものにするストーリーで考えるか、あるいはわが社がどのようにユニークにお客様の問題解決をし、ライバルはどのようにしているか、その中でわが社が選ばれるようにするにはどのようにしていけばいいかというストーリーで考えるかといった方法が考えられます。

 三つ目ですが、一つ目のケースでもあるいは新事業を白紙にデザインする場合でも、ビジネスモデル・キャンバスというのも使い勝手のよい方法です。ぜひ試してみてください。

5 まとめ

結局、戦略を立案するとは、自分たちの強みを活かして世の中にころがっている機会をゲットするために、さまざまな思考ツールに助けてもらいながら、みんなでこうすればよいのではないかというアイデアを明確にしていくプロセスなのです。本記事を参考に、皆さんがご自分なりに腑に落ちる方法で考えていってください。

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