御堂筋税理士法人創業者ブログ

要約

1 ドラッカーのいう計画はPDCAすべてをいう。実行なき計画は「単なる希望表明」である
2 戦略計画はあくまで仮説であり、それは試行錯誤によって検証され、実現される
3 計画実行を担保する第一条件は、実行へのコミットメントとタイムマネジメントである
4 計画実行を担保する第二条件は、内省、1on1、会議といったコミュニケーションと使う情報の質である
5 そのためにはマネジメントのスキルの訓練が必要である

1 戦略計画をめぐるドラッカーの言葉
 前回、戦略計画を考える思考法・発想法を紹介しました。今回はそれを進める上でカギとなる考え方を説明します。
 「戦略計画とは、体系的な、リスクを伴う企業家的意思決定、その実行に必要な活動の組織化、活動結果のフィードバックの連続したプロセスである。」
 これは、ドラッカーの言葉です。彼は戦略計画を、単に立てることではなく、PDCAの流れと捉えています。したがって、戦略計画ではいかに実行管理するかが問われます。
 実際、彼は「最高の戦略計画であっても、仕事に具体化されなければ、よき意図に過ぎない」と述べています。

2 計画の実行管理の重要性
 中小企業で計画を立てている企業は20%、しっかり実行管理している会社はそのうち10%です。戦略計画はマネジメントの骨格ですから、私はまず計画を立て、次に実行状況を毎月チェックすることをアドバイスしています。
「目標は列車のダイヤではない、船の羅針盤である」とドラッカーがいう通り、計画はあくまで仮説であり、しっかりと実行結果を検証して、試行錯誤しつつ目標に向かっていかねばならないからです。
計画が計画倒れになる理由は、それがスローガンに終わっていたり、計画経営の文化がなかったりすることによります。そのため、まず組織として課題を推進する習慣をつけてほしいものです。
その場合、幹部は、課題解決の思考力と行動力を持ち、時間を確保することです。そして、組織としては計画推進のコミュニケーションが大事です。そのしくみをしっかりと作ることです。

3 個人の思考力と実行力
 戦略計画の課題は、担当の個人またはチームに割り当てられます。そこで課題の解決や実現の方策、つまり手段・方法・手順を編み出さねばなりません。次に課題に取り組む時間を確保する必要があります。そのためには、コミットメント(本気さ)、優先意識、そして何より時間を取ること、タイムマネジメントが必要です。時間は常に成果に向けてのいちばんの制約条件なのです。

4 コミュニケーションと情報
 計画の実行管理(PDCA)の基本は月次のサイクル、それは自省→1on1→業績検討会議(コックピット会議)→部下フォローとなります。
使うツールは、数値資料、目標管理シート、時間管理表です。情報の質が思考と決定の質を決めます。情報は、数値が基本ですが、予測、活動量、細分化されたものが重要です。
 サイクルは、月末の個人のふり返りから始まります。それは個人の内的対話であり、目標管理シートにより、反省、評価、次月の取り組みを考えます。その後月初すぐに上司・部下と1on1を行います。さらに時を分かたず業績検討の会議を行ない、幹部全員で業績や課題の進捗を共有します。そのあと課題の実行・実現に向けてフォローをしていくのです。これらを通じて、個人、相互、集団の強力な動機づけがなされるのです。

5 必要なスキル
 こうした計画の実行管理には次のようなスキルが必要となります。
(1) 問題解決、アイデア創造の促進スキル
  集団での思考には、これらの思考の推進と刺激、結論誘導のファシリテーションの技法が要ります。
(2) 討論と対話のスキル
  効果的なコミュニケーションには、報告・発表・傾聴・質問・応答の適格さが必要です。論理性、的を射ていること、整序された発言や報告です。
(3) トップやリーダーの場の擁護力(心理的安全性の確保)
  効果的意思決定ははメンバーの活発で自発的な発言が必要です。それを担保するのは場の心理的安全性です。そしてそれはリーダーの傾聴姿勢と感情の制御によります。これはリーダーシップの本質であり、そのためにリーダーは修養を重ねる必要があります。
(1)と(2)は本やセミナーで学びます。(3)は、日々の自省、コーチングで学びます。

6 まとめ
 以上、計画の実行管理の要諦を次にまとめておきます。ぜひご参考に実践にいそしんでください。
□ 経営計画の実行管理の意義と重要性
 ・ 戦略計画は仮説であり、それは試行錯誤によって検証され、実現される
 ・ 経営計画の実行は、個人のコミットメント、タイムマネジメントによる
 ・ 経営計画の実行は、コミュニケーション・システムにより担保される
□ 経営計画の実行管理の進め方
 ・ 4つのコミュニケーションの機会
   内省(自身との)→1on1(上司・部下との)→コックピット会議(集団での)→ フォロー(部下との)
 ・ ツール : 儲けのカーナビ(決算予測型月次決算)、経営のコックピット、分析資料、目標管理シート
□ ポイント
・ 数値制御 … 予測、活動→成果の見える化、細分化分析
・ 課題への取り組み状況の共有(見える化)
・ 問題解決、アイデア創造のファシリテーション・スキルの訓練
・ コミュニケーション・スキルの訓練 … 報告・発表・傾聴・質問・応答
・ トップやリーダーの場の擁護力

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