存亡にかかわるクレーム問題に直面して
2009.09.18
ブログ
大阪のコンサルティング税理士 小笠原 です。
今日はあるお客様の経営会議の日です。
朝、最寄りの駅で待ち合わせて会社に向かいました。
わたし「おはようございます。ところで何かトピックスは?」
社長「トピックス?それどころか、
会社が潰れるかもしれませんわ!」
わたし「!?ええっ!?(絶句)・・・・・・・・・・・
どうされたのですか?」
社長「どうもこうも、不良品が客先に出て、こともあろうにそれが市場に出回ってしまったのですよ。」
話によると、経験の浅い作業者が
作業標準を無視してものを作り
それが発見できずに出荷され、
市場で不具合の通報が出て発見されたのだという。
社長「ハタチそこそこの若造に会社を潰されますわ。」
わたしもなんとも返事のしようがない。
社長がポソポソと、ことの発端、起こった背景、
お客様の憤りぶり、自分の不徳の致すところ
社員への申し訳なさ、はては自らの出処進退にまで
思いを致される。
事は直接には、作業員の作業マニュアル無視に原因があるのだが、
その職場での本人と監督者の人間関係に因があるようだ。
というのも、監督者が製品の生産量が上がらないのを
本人に「たくさん作れ!よう作らんのか?」
と問いただしたところ
売り言葉に買い言葉「作ればいいのだろ!」
ということで、
本来決められている製品の抜き取りチェックや
一定数量ごとの工具の定期交換をすっとばして品物を作り続け、
それがそのまま出荷されてしまったというのです。
しかも、お得意先からクレームの第一報が届いてから
不良品の発生のロット範囲、原因の特定が
すこぶる時間がかかったこと
社長における対策の決定についてジャッジミスがあったことなど
生産管理、品質管理上の問題点や
冷静、判断力に秀でた社長にしては、
めずらしい判断の甘さが露呈したのである。
これが社長にさらに自責の念を起させているようである。
会社について、会議が始まるまでの1時間余り
ふたりでこの問題について対話したのだが、
息が詰まる思いである。
わたしとしては、ただただ社長の気持ちを
共有することが、できるすべてである。
社長が自ら語られることを、
サポートして考えをまとめてもらうことが
今日の経営会議は、業績の確認もほどほどに、
この問題を集中討議したいとの社長の意向である。
「今日は、例の問題について原因を考え、
対策を検討しようと思います。」
ということで、自らホワイトボードに
―――――――→
と線を引かれ、参加者の意見を順番に聞いていかれました。
いわく、
「現場の監督者が、作業員の一員であり、監督ができていない。」
いわく、
「この職場は前から人間関係に問題があったのを放置していた。」
いわく、
「メーカーでありながら、技術の担当役員がいない。」等々
これらの課題は、以前から十分に認識されていることでした。
しかし、有効な手が打てていないわけです。
お得意先から、社内監査に来られて
レポートをまとめられたものを拝見しました。
そこには、的確すぎるほどに
当社の体制についての課題が書かれていました。
最後に、本来であればペナルティとして
相当期間の納入禁止措置が妥当であるが、
トップを中心とした応急措置や情報開示の真摯な取り組み姿勢
そのパーツが機能部品として欠かせないものであること
などを勘案し、
今回はそうした措置は見送ると結論付けられていました。
社長の心痛、自責の念は、察して余りあるものがあります。
本件は、潜在欠陥が、顕在化するかどうか
それはあと1ヶ月くらいの期間に起こるかどうかということが
当座、わが社の存続の死命を制するカギとなるのですが、
yle=”font-family: メイリオ;”>しかし、仮に無事欠陥が事故として顕在化しなくても
わが社が蒙った、信用の失墜は容易なことでは
回復するものではありません。
どのようにして、技術、しくみ、人の面で、
今回の深刻な出来(しゅったい)の教訓を生かしていくか
これからの、経営のかじとりをわたしもメンバーの一員として
社長とおなじ意識、気持で受け止め、
取り組んでいかなければならないと感じています。
仮に、神様が当社を加護いただけたならば、
ここから得られる当社の成長の機会は
とても大きなものだと確信し
再生と飛躍を信じて、
課題にまい進してもらいたいと希っています。
コンサルティングに強い税理士小笠原/河原事務所 大阪 小笠原 でした。