経営者が二宮尊徳翁に学ぶ意義はなにか。
2015.06.08
ブログ
今月から、私が行う
価値観講座がスタートする。
10名内外の方が来て下さるので
とても楽しみにしている。
皆さんに、参加してよかったと
思っていただけるように
わたしもより勉強しなければと
思っているしだいだ。
今年の講座では
森信三先生が折に触れ
述べられている
二宮尊徳翁、吉田松陰先生の
思想を中心に
経営の価値にどう活かせるかを
学んでいきたいと思っている。
ところで、私たちが
二宮尊徳翁に学ぶ意義とは
どこになるのか?
【尊徳翁の偉影】
二宮尊徳翁は中農の子に生まれ、
おさなくして両親に先立たれ、
叔父に預けられるという境遇の中で、
刻苦勤勉と工夫により、
早期にお家を再興し、
その中で成功体験の原点を体験した。
その哲学は『積小為大』である。
つまり、チリも積もれば山である。
ここではそのチリを積らせる
実践に光が当てられる。
やがて、小田原藩重臣
服部家の目に留まり、
同家財政再建の取組みを行うが、
その中で神仏儒の学問的接点にも
恵まれて思想形成と教化がなされた。
(というのも子息について
学者の講義を聴く機会に
恵まれたからだ)
またこの取組みの過程で、
「五常講」というファンドが形成され、
二宮尊徳翁の活動の財政基盤が形成された。
さらに、小田原藩主
大久保忠直公に見いだされ、
同藩分家の財政再建にも取り組んだ。
翁の手法は、自らすべてを
投げ捨て傾けて現地に入り込み、
綿密な実態調査、
収支計算と長期計画に基づき、
当事者の支出徹底切りつめと
債務返済の棚上げ、
未利用地の徹底活用などにより、
収支を黒字転換させ蓄財をなし、
それにより債務の返済を
実現するものである。
その手法の要諦は、
『分度』と『推譲』である。
分度とは、計画に基づいた
徹底した倹約と工夫であり
推譲とは、余剰の
未来への割り振りと
周りへのおすそ分けである。
妥協を許さぬ厳しい姿勢は、
折に触れ関係者の抵抗に遭い、
自身も精神的な相克に見舞われたが、
根本にもつ人間的な至誠の趣きが、
関係者に心理的変容を
もたらしていった。
二宮尊徳翁の偉大さは、
こうした思想的な気高さと、
現実把握と分析、長期的計画、
自身の率先も含む実践の徹底度、
良知をほめて人を動かす力
といった実践的な諸力が、
高いレベルで両立していることである。
そして神仏儒の諸学を
取入れながらも、
自らの天地自然との交流の中から
得た翁自身の信念をもって、
実践と指導に当たった点である。
こうした人格的謦咳と
事跡に触れることにより、
われわれ、経営者や幹部、
コンサルタントは、
変革のリーダーシップに
求められる要件とは何かを、
深く感じ取り、
自身の人格に取り入れて
いかなければならない
のではないだろうか。
このお話、まだ続きがあります。
次回にお話をしましょう。
会計事務所の可能性を追求する
御堂筋税理士法人&
組織デザイン研究所
税理士コンサルタント
小笠原士郎でした。