御堂筋税理士法人創業者ブログ

ドラッカー経営を中小企業で実践する
第36回 「経営者のスキル ー リーダーシップ」

要約
1 根源的にはリーダーシップが企業の業績を決定する
2 リーダーシップとマネジメントは似ているが性質がちがう
3 リーダーシップとは、手本を示すことである
4 リーダーシップとフォロワーシップはコインの裏表の関係にある
5 リーダーシップは、自己修養により習慣化される

1 リーダーシップの重要性

 「リーダーが偉大なときだけ、組織は偉大たりうる。」とドラッカーは書いています。またそれを裏付けるように、「虎が率いる鶏の軍団の方が、鶏が率いる虎の軍団よりも強い」ということわざが古代中国(史記)にも西洋(アレクサンドロス他)にもあります。『原因と結果の法則』(ブッダ)によれば「回りで起こっていることは、私の態度の反映」です。ですからトップにとって、組織の状況は自分の態度が引き起こしているということになるのです。つまり、経営者にとって、自社の業績は他に持って行くところのない自己責任なのです。従って自己のリーダーシップは経営の根源的重要事項なのです。

2 リーダーシップでわかっておくこと

 リーダーシップに類似してマネジメントという言葉があります。マネジメントは「定められたことを、人をして効果的になさせる技術」と言えますが、リーダーシップは「方向を指し示し、人をリードしてものごとを達成するという」ニュアンスがあります。

 ドラッカーは、「リーダーとは、フォロワー(部下やメンバー)のいる人である」と定義しています。当たり前の気がしますが、これは本質をついています。つまり、リーダーとは独りよがりではなく、フォロワーが認めてはじめてリーダーたりうるということです(権限受容説)。

 ではフォロワーが、あなたがリーダーだと認めるのは何ゆえでしょうか?これを『パワーの源泉』といい、① 強制力、② 報酬決定力、③ 正当性、④ 仕事力、⑤ 人柄、の5つが挙げられています。あなたならどれに魅せられますか? 筆者なら仕事ができる(④)と立派な人だ(⑤)です。

 今日リーダーのめざすところは、『サイレント・リーダーシップ(無声指揮)』、つまり黙っていてもメンバー達が動いてくれることと、その行なうところは、『サーバント・リーダーシップ』、つまりメンバー達が動きやすいようにしてあげることです。「第一の者になろうと望む者は、いちばん後の者となり、またみなに仕える者と ならなければならない。」と福音書にもあるではありませんか。

 ところで、フォロワーシップという言葉があります。聞きなれませんが、重要なことなのでよく理解しておいてください。フォロワーシップとは部下たる道をいいます。フォロワーシップは、① リーダーに心から協力することと、② リーダーが間違っていると思ったら諫言(かんげん=諫めること)することから成っています。リーダーシップとフォロワーシップはコインの裏表だと言われます。だれでも両方の役割を演じるからです。ですからリーダーにとってフォロワーの役割をすることはとても大事なのです。私は、中でも②の諫言こそが大事だと思います。それを行なうことは部下にとってとても勇気のいることですし、リーダーにとっては度量が試されるからです。リーダーはこのことを本当に強く心してください。このテーマは次回の『帝王学』でとくと話します。

3 リーダーシップの内容

 ドラッカーは「自己啓発(に励もうとする部下)にとって、自らの自己啓発に取り組んでいる上司ほどよい手本になるものはない。」と書いています。このようにリーダーシップとは、一言でいえば『手本』を示すことだと言えます。なぜなら部下は、上司の言動が不一致のときにはその指示に従わないからです。

 その場合にリーダー(管理者)が身につけておかなければならないものが『真摯さ』です。ドラッカーはこのことを管理者に昇格させる絶対条件だとしています。真摯さに欠ける人間は、部下を育てられないからです。管理者とは究極教育者ですから、これは当然のことです。そのような人間は、他罰的で自省できないのが特性です。私の身の回りでも、このような経営幹部・管理者は散見されます。売上を上げるといった能力だけで営業部長に昇格させるといったように経営者の判断のものさしがまちがっているこうした愚行が起るのです。

 ドラッカーは、真摯さは始めから備えていなければならないと、身も蓋もなく断言しています。それはそうなのですが、私としては本人に奮起を期待したいところです。

4 リーダーシップを身につける方法

 そのために、自らの人柄や人格を高めることが絶対に不可欠になります。能力というのは強みを活かすのですが、人柄は弱みを補強しないと部下からの信頼は期待できません。
 人柄というのは、他人から見たその人の行動特性です。ですから人柄を高めるには、自らの至らぬ点を習慣により是正していく必要があります。このことは、次々月にお話ししますが、簡単に言えば、自己の感情を制御できるようになることです。この取組みを『修養』というのです。

以上

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