御堂筋税理士法人創業者ブログ

大阪のコンサルティング税理士 小笠原 です。

私が所属するTKCという会計人団体の会報誌
に寄稿を求めらました。
題材はなんでもご自由ということでした。
そこで日ごろ考えている、
他の志ある会計事務所に
私たちのサービスや運営のしかたを
公開していきたいという
思いを皆さんにぶつけてみたいと考え
次のような話を書いてみました。
それをご紹介したいと思います。

――――――――――――――――――――――――――――

去る63日は私の事務所の創業記念日だった。
故出口正門先生の絶大なご支援による独立から、
早くも満20年が過ぎた。

 しかし人より気づきの遅い私の事務所が、
発展のきざしが見えはじめたのはここ数年のことである。

 さて今回、機会をいただいて私がお話したいことは、
私のスキルと思想のあゆみと現在の問題意識についてである。

 現在私の事務所は、税務顧問業務をベースに、
経営コンサル、人材育成などの業務を展開している。
直近の数字によれば、事務所収益のうち
税務以外の売上比率は約40%である。
 なぜこのような構造の事務所になったのか?
少し私のキャリアから考えてみたい。

 私が業界に入ったのは27才のときであった。
実家が商売人の私は、元来経営に深い興味があったようだ。
入所後私はすぐに経営計画に関心をもった。

 当時TKCが開催していた日本創造経営協会の
コンサルタント養成研修に参加、
見よう見まねで経営計画のコンサルティングを始めた。
 
 そして業績管理と目標管理のために、
お客様の経営会議に出させてもらうようになった。
当時、私がもっとも影響を受けたのはP・ドラッカーであった。
実践ノウハウではカリスマコンサルタント一倉定先生の
『社長学』に大変お世話になった。
また島田信愛先生の著作も実用的でためになった。

 さらに、東京の宮本嘉興先生には直接お教えをいただき、
ご一緒に仕事もさせていただいたのは幸運であった。
こうして私は、経営計画や会議の進め方、
内部管理の技法を習得させていただいた。

 その後、事務所は一定の売上規模まで拡大したが、
自分の人間としての幅の狭さから、やや停滞期に入った。
そうした折、業界誌シリウスで目にしたのが、
福岡の楠本浩之先生が主宰しておられた会計人共同体だった。

 運営委員会に顔を出すようになった私は、
メンバーの先生方のご活躍ぶりに驚くとともに影響を受けた。

 そしてその思想背景に経営人間学講座を主宰しておられる
大阪の竹内日祥師がいらっしゃることを知った。
私は早速に師の提唱される統合思想を学びに行き、
むさぼるようにその考えを吸収しようとした。

 当時の事務所の主要スタッフの数人との価値観のちがいに
ストレスを感じていた私に、師の考えは深く突き刺さった。

 そしてそれを決定づけたのは、
『修身教授録』という本の出会いであった。
著者で私が私淑する人生の師、森信三先生の影響で、
私は中国思想、西洋思想、仏教思想、さらには国学と
深い哲学思想の森に分け入ることになった。
この森の探検は、強まりこそすれ決して弱まらず、
今も初学者の私を虜にしている。

 今から5年ほど前に私は、辛いことであったが
思想的に違和感のある二人のスタッフと袂を分かった。
これが、現在核融合を起こしている感のある
わが事務所の原点になった。

 そんな折、今もホームページのプロデュースをしてくれている
佐藤元相さん(私のパートナー河原税理士の友人)が、
私に事務所のブランド広告塔としてセミナーなどの活動を
もっと展開するように勧めてくれた。

 そして大切なスタッフのひとりである細谷が、
講師のプロデュースを業としている茅切伸明氏を紹介してくれた。
彼は元SMBCコンサルティングのセミナー企画責任者で、
おかげで私はSMBCをはじめ各種公開セミナーに
出させていただけるようになった。

 このお二人は、今も毎月ご相談にのっていただいている、
私のマーケティングの貴重なブレーンである。

 こうした営業活動や思想学習にスタッフを巻き込んだことで、
スタッフたちの意識も大きく変わっていった。

 決定的だったのは、必要があって行った
コーチングのセミナーがきっかけとなった
コーチングラボの本山雅英先生との出会いである。

 私は先生が主宰される
プロファシリテーターの養成講座に入れていただき
勉強をさせていただいた。

 その後、主要なスタッフがその講座でご指導いただき、
さらに緊密に仕事上での連携をさせていただくようになった。

 本山先生は私など足許にも及ばないカリスマコンサルタントである。
事務所が始めている『わが社の人材開発センター』の
取締役にもなっていただき、
事務所の戦略づくりやスタッフのメンターとして
大いにお世話になっている。

 私は創業以来、毎年中期経営計画を立てている。昨年度の経営計画で7年後売上高を今の2.5倍に引き上げる計画を立てた際、
私は初めて先行投資としての人材育成の必要性に気づいた。
受け皿がないと売上を増やせないのだ。

 そこで新人の定期採用を始めることにした。
わが社のような小企業にとって、
かなりの利益を振り向けるのはつらい意思決定であるが、
これで経営の背骨が通った。

 企業は新人を定期採用するようになってはじめて
なりわいから企業になると思う。
なぜなら長期の視点からリスクをとって意思決定をしだすからだ。

 わたしは、事務所はお客様で展開するサービスの実験場だと
常々言っている。私たちが経営に成功しないと、
その提供するサービスはパワーがない。

 実は去年から経営計画は主としてスタッフに作ってもらっている。
それは、未来は彼らのものだからである。

 私の役割は、彼らの活躍できる環境を作り、
やりがいのある組織編制をしていくことだ。

 私がマネジメントをするのはあと2年、
そのあとは事務所の思想的背景となり
また新たなサービス開発に努めたいと思っている。

 ここ3年、おかげさまで収益は拡大しつつある。
河原事務所を含め15人の世帯では
諸先輩にはお恥ずかしい程度の規模だが、
生産性の高さにはいささかの自負心もある。

 そして私が今感じている問題意識は、
中小企業の発展にとっての会計事務所の重大な役割についてである。

 しかしそれを担うには私たちが、
さらに業務の質を高め、幅を広げていかなければならない。
まさにそのために、私はささやかではあるが
自分が開発してきたノウハウと経営管理法を
提供できたらと考えている。

 そのためにはどのようにしていけばよいのか?
それがわからないでいる。
もしご興味がおありの方がいらっしゃれば
ぜひご相談に乗っていただきたいと思っている。
いかがなものであろうか。

コンサルティングに強い税理士小笠原/河原事務所 大阪 小笠原
でした。


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