御堂筋税理士法人創業者ブログ

(昨日の話から)

さて話は元へ戻って

このウィトゲンシュタインという人

舌を噛みそうな名前だが

哲学の中では

ちょいと有名な人である。

 

早熟の天才が20歳代に著した

『論理哲学論考』は

とにかくあやしい光を放つ

快(怪?)著である。

 

わたしなど

このお話の出発点から

数歩しか上に登れないので

勢いで買うてから何年もの間

ずっと積んでおいた本だった。

 

今回、ついに手に取った。

 

「およそ語られうることは

 明晰に語られうる。

 そして、論じえないことについては、

 人は沈黙せねばならない。

 かくして、本書は

 思考に対して限界を引く。」

 

有名なフレーズである。

つまりこの本は

人は何を考えうるかの本である。

そんなこと考えても考えなくても

生きて行く上で関係ないやん

といってしまえばそれで

ハイ終了ではある。

 

なぜそんなものに

興味があるのか?

 

それは、わたしも

経営者としてコンサルタントとして

やはり明晰に語るということが

もっとも重要な課題の一つであり

訓練しなければならないこと

だからなのである。

 

内容を簡単にいうと次のとおり

 

世界は事実のかたまりである。

それは言葉で表現し考える。

だから言葉が世界の説明であり

それゆえ言葉の限界が

世界の説明の限界である。

なので言葉を研ぎ澄ましましょう。

そして考えられることは明晰に考え、

考えられないものについては黙りましょう。

 

この本でウィトゲンシュタインが

目論んだことは

「世界の果てはどうなっているのかなあ?」

「あの世はどうなっているのかなあ?」

なんていった話(哲学)に

ばっさりと死亡宣告!を

突きつけることだった。

 

ものごとをどう認識するか?

それも目に見えないことについて考える…

こういった分野は

形而上学であり、認識論といわれる。

 

その分野では

カントという偉大な哲学者が

「こうしたテーマについては

 肯定の証明も否定の証明もできる

 だから永遠に判りませんよね」

というアプローチで

これらの思考可能性を

葬り去った(はずであった)。

 

これを

ウィトゲンシュタインは

世界の外の話は

世界の外から世界を見ている存在にしか

説明はできない!

としてバッサリと葬り去ったのである。

 

たしかにスカッとする。

(よくわからないが

 もちろんその後ちょっと

 ちがうんやけどなと

 本人も撤回したのだが)

 

わずか文庫本で

150ページの程度の小著だが

その後半、

彼のいう思考方式を

数学、自然科学、

倫理哲学などに応用して

思考可能性を問うところなど

粗雑な頭ではさっぱりわからんが

しかしすばらしい本だと感じる。

 

 

特に、私の大いに苦手な

数学についての考察は

また別の意味で

目からうろこだった。

 

彼は数学の本質は

1+1+・・・(以下同様)

だという。

※ちなみに、以下同様

 というフレーズはええなあ。

 ときどき使いたくなる。

 

なーるほど!!!!!!!

してみると掛け算は

それをスピードアップして計算できる

便利な道具である。

 

だから掛け算は九九で

覚えるしかしかたがないわけや。

一段上の計算道具やからな。

 

こらわかりやすいな。

すると指数関数なんか

同様の過激な

スピードアップの計算道具となる。

 

さらに対数関数は

もっともっと過激な

加速的計算道具となる。

 

そうか、

してみるといろいろな方程式は

人間がしたい計算の

特定目的にフィットした

便利ツールなのだな。

 

関数、グラフ、微分・積分、

極限、ベクトル、ぎょうれつ・・・

なんかいっぱいあるが

暇ができたら考えてみよう。

 

積年のコンプレックスが

多少は払しょくできるかもしれない。

 

老後は長い、

こんなことでもやらんと間が持たんからな。

 

とにかく

式と数字をつかって

謎が解けたり

現象が予測できたり

からくりが判ったりするのだろう。

 

世界の外とまではいかないが

少しは高い空から

ものごとを見れた気分に

なれるかもしれない。

 

会計事務所と

経営コンサルティングの融合

 

御堂筋税理士法人&

組織デザイン研究所

 

小笠原 でした。


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