御堂筋税理士法人創業者ブログ

ハーバード・A・サイモンという人の

『システムの科学』という本を読んだ。

私のような頭の悪い人間にとっては

とっても難しい本で、

ほんの一部しか理解できなかったが

それでもすごい本だと感じた。

ときどきサイモンの著書に向き合う。

『システムの科学』

『経営行動』

『意思決定の科学』

『オーガニゼーション』

どれもむずかしく

よくわからないが、

でも、深く納得させられる。

サイモンという人は

確か第1回の

ノーベル経済学賞を

受賞された方だと思う。

研究の分野は広いが

その中心は、私の理解では、

組織における意思決定である。

組織をシステムとして

有機的にとらえ

その有効性の条件を

論じた思想家は

私が大変尊敬する

チェスター・I・バーナードを

その源とする。

バーナードの感動的な著書

『経営者の役割』も

難解な本

(わたし流の表現だと

 ☆☆☆☆☆となる)

だが、

この『システムの科学』も

同様だ。

でも門前の小僧として

なんとかこの難解な本を

自分なりに理解しようとすれば

次のようにまとめられるだろう。

すなわち、この本は

人工物の科学についての本である。

人工物とは自然物に対比させられる。

それは、人間が作ったもののことである。

自然物の科学が自然科学であり

それに対しての

人工物の科学なのである。

人工物には、

機械や、社会、組織(企業)がある。

そして、その有効性、進化がテーマである。

それは、自然物でいえば

生物の上手さに倣うのがいい。

生物の有効性と進化は

突然変異と自然淘汰で

なされている。

生み出すのが突然変異であり

テストが自然淘汰なのである。

そもそも、生物や人工物には

1.存在の目的と目標

2.内部特性

3.環境

の3つの条件があり

その中で、環境適応がテーマである。

これらを企業に当てはめると

企業は環境を理解するための

情報収集活動と

それに有効に適合するための

行動とがテーマとなる。

その場合、環境の理解と行動の決定は

フィードバックと予測からなされ

それは会議などの集団的施策と意思決定

によって仮説だてられ、

そして行動に移される。

それが有効かどうかは

試行錯誤の末、逐次的に確認され

能力として獲得される。

そしてその進化は

仕事の手続の革新として

組織に定着されるのである

とまあ、こんな感じだろうか?

それがどないしてんと

いぶかる向きもおありだろう。

サイモンのすごいところは

こうしたものごとの本質を

透徹して見せてくれることだと思う。

そして本質を理解するということは

ものごとに向かい合うときに

第一に決定的に重要なこと

なのではないだろうか。

こうしたすごい著者の思想にふれると

ほんまにそうやなあと

深く納得させられ

それゆえ、日ごろの

ものごとに対する態度に

一本の背筋、つまり信念が

入るというわけである。

組織とはどうあるべきか

経営のしくみとはどうあるべきか

経営の行動はどうあるべきか

こうしたことを

本質的に教えてくれるのである。

たいへん、ありがたい。

これをどう経営と手助けに

活かしていくかが

私の実践課題となる。

かの松岡正剛先生も

『千夜千冊』で、第854夜で

この本を取り上げ

だまされたと思って読んでみてくださいと

おっしゃっておられる。

まことそれだけの価値がある本なのだろう。

http://1000ya.isis.ne.jp/0854.html

経営コンサルティングと会計事務所の融合

組織デザイン研究所&御堂筋税理士法人

税理士コンサルタント 小笠原 でした。


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