御堂筋税理士法人創業者ブログ

齋藤孝さんの『質問力』(ちくま文庫)を読んで、
あらためて、質問の持つ力を考えさせられた。
コミュニケーションにおける相互理解、創造性に対しての力だ。

気のおもむくままに、本からヒントとなった個所を抜き出してみたい。

はじめて出会う人と、どれだけ短い時間で濃密な対話ができるかで
社会で生き抜く力の差が生まれてくる。
その中で、質問という積極的な行為が、コミュニケーションを深める
ということが、著者の提言だ。

試験の問題は、出題者の視点に立てば、簡単にわかってしまう。
だから問いかけは大事だという。
おもしろい視点だ。

質問は、素人でもできるところが答えに対してちがうところだ。
人が成長していくためには、自分よりすぐれた人と対話するのがいちばん早い。
訊き方がうまければ、相手からよい話を引き出せる。
そうとわかれば、質問力を常に測ろうとするフィードバックの姿勢が起こる。
この回路を創ることがいちばんの目的だと著者はいう。

■まず、質問力を『技化』する

考えて質問をすることを習慣化する。
そのための工夫として質問力ゲームやディスカッション観察ゲームをするのもよい。
コミュニケーションの場は、質問を出す人で支配されている。
基本は1:1で、これができると集団でもできるようになる(サッカーといっしょ)。
質問ができるようになれば、アウェイでもコミュニケーションできる。
楽しい場は、お互いの経験世界を混ぜ合わせることが大切だ。

質問は網だ。しっかり作っておけば、いい魚ができるとは
人材採用のときの面接の質問のことである。
当社用のものを作る必要性を感じた。

■いい質問(座標軸で整理する)

1.いい質問
クリエイティブな対話や新たな意味を生み出すためには、
具体的・本質的な質問に心がける。
具体的・本質的座標軸をもち、常に意識することで、質問は格段にちがってくくる。
質問は、思いつくものでなく、練り上げていくことが大事だ。

2.相手の頭の整理によい質問
相手が話したい・自分が聞きたい話題を質問する。

3.適宜に応じた価値の深化と気配りの質問
現在の文脈に沿う・過去の経験世界に沿うで区分し、
現在と過去が絡まり合う思考、大人の気配り会話、流す会話を使いわける。

■相手に沿う質問のしかた

コミュニケーションの秘訣は『沿いつつずらす』こと
身体次元で沿うために、うなずき・あいずちを覚える。
次に、言い換える。これは話の理解度を試すためにとてもよい。
さらに高度なものは、話の中で前に言ったことをひっぱってくること。
そのためにメモを取る習慣が要る。

沿う技には、『共感』『まとめ』『整理』がある。

□『共感』

相手に沿いながら深めていき、話しやすくする。
『共感』でどんどん相手が話してくれる。
(ブルペンキャッチャーはいい音を出すミットを使う)
専門用語が出たら、自分も使ってなれていく。
相手のことばを自分のことばに組み込んで話す。
相手の経験世界、いちばんの力点を認める。
「それは別のこれと似ていますか?」は質問の王道
相手の言っていることをキーワードで結晶化する。
構えづくりの技~好きなことについて語り気分よくさせる。
身体的なことばで距離を縮める。
相手の変化について質問するのは答えやすい。
プロに質問するときには、真髄に踏み込んで質問するのが礼儀

具体的なコツについて語ると、生産的。
相手のことを事前に勉強して、情報をたくさんもたないといい質問はできない。

□整理

相手のことばを整理していく。
「具体的にいうとどういうことなんですか?」はいつでも使える。
いきなり本質的質問をぶつけるのもおもしろい。
その場合、抽象的⇔具体的の往復運動がコツだ。
自分の経験にからませて、相手の経験世界を引きだす。
その場合、私個人のはなしになりますがとして意識できていること。

■クリエイティブな質問力

最終目標は、相手をインスパイアする質問
ひとつでもインスピレーションが湧けば、会話は完全成功

「同じ○○として訊くのですが・・・」は共感を呼ぶ。
相手の言ったことに対し、「どうしてですか?」と訊き、
「わかるよ」と受けるのは共感系の基本作法。
「あとで、自分の場合のコツ・方法を教えるから」は
ギブ・アンド・テイクでよい。
物事の結果よりも、経緯を聴く方が得るところが多い。

ハイレベルでは、自分自身にその質問をしたとき、どうこたえるかを
一応、シミュレーションしてある程度答えを用意しておく。

相手について自分が勉強したことを仮説として、質問を投げかける。
質問が短く、答えが長い質問は、それだけパワーをもった質問である。

こうして整理をしてみて感じたことは、
やはり相手に興味をもっていろいろ考えておくことが大事だということである。
そして、つどつどの対話が最良の技を磨く機会であり、
一つひとつをおろそかにせず、最高のものを引きだすことに努めること
一回一回をふりかえり、改善していくことが大事だということであった。

コンサルティングに強い経営エンジン研究所/税理士法人小笠原事務所 大阪 小笠原
でした。


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