御堂筋税理士法人創業者ブログ

 高校に入学して、はじめての数学の時間、冒頭に担任の小林平三郎先生が、「デカルトの『方法序説』という本があります。数学を勉強するコツが書いてありますから、ぜひ読んでみてください。」

 「???」、私は頭が真っ白になった。高校の授業は中学のそれとはかくもレベルがちがうのか!今まで大人の本など読んだことにない私である。読書の習慣などまったくない。しかし、さっそく、そのデカルトとやらいう人の本を開けてみた。数行読んだところで、まったく意味がわからず、頭は撃沈されてしまった。なんのこっちゃ?

 このあと、私の数学の苦手意識はますますひどくなっていった。家に帰っても復習もしなかったから、超高速の授業にはまったくついていけなかった。なにしろ3年間のカリキュラムを2年で終わらせるのである。そのおかげで、数学の点数は悲惨であった。100点満点で20点程度である。

 数学は2つの科目に分かれていた。いわゆる代数と幾何である。代数は因数分解から入る。これがまったく何をしているのか理解できなかった。今から考えるとパターン認識と根の公式を覚えるだけのことだったのだが。おまけに極度に注意力がとぼしく計算間違いが多く、ほとんどまともな解答ができなかった。

 幾何もユークリット幾何学もあれば、デカルトの解析幾何もある。前者では、公理を覚え、証明をしていくわけなのだが、これもちんぷんかぷん。後者も方程式が何を示すかが理解できず、グラフとの関係も意味がわからない。これだけわからないことだらけだと手も足もでない。まったくのだるま、授業はお客様、ただ座っているだけの苦行だった。

 あーあ、もういちど親切な先生に手とり足取り教えてもらえたらなあ。

 話を戻して、デカルトの『方法序説』、彼のねらいは、いろいろな学問を数学のような明晰さで分析し、追求できないものかという問題意識で書かれたものと思料する。いろいろな学問の詳細に入る前に、序説を書いたのである。

 デカルトは、確実な思考をしていく上でだいじにすべきこととして、つぎの4つを挙げている。
① 何事にも疑問をもつ
② 問題を細かく分ける
③ 簡単なことから複雑なことへ進めていく
④ 漏れがないか確認する

 最近、仕事で必要で、思考法について本を読んだりあれこれと考えたりしていて、あるいはお客様の指導をさせていただいていて、この4つ、ほんまにそうやなあと腑に落ちてきた。わたしのようなアホはやっぱりこれくらい自分事にならないと書いていることが理解でけへんのやなあとしみじみ思う。高校生などでさらっと方法序説がわかる人ってすごい頭がええのやろなあとふとなさけなくもなったしだいである。

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