御堂筋税理士法人創業者ブログ

大阪のコンサルティング税理士 小笠原 です。

アルファ社の経営会議に出ました。

アルファ社は、X製品の主要部品で
シェア65%をもつナンバーワン企業です。
ライバルはベータ社。
この2社で日本の市場をわけています。

アルファ社の有力お得意先はA社、
ベータ社の有力お得意先はB社です。
A社とB社は、X製品で熾烈なシェア争いをしています。

 (アルファ社⇔)A社←×→B社(⇔ベータ社)
の構図です。

そこへ、XD製品における世界の雄、
C社が日本市場になぐりこみをかけてきました。
理由は、アジアナンバーワンをめざすA社が
中国で事業の積極展開をして、
C社にダメージを与えたことに対して
C社が、頭にきて報復措置に出たためです。

なぜならA社が中国で積極展開をする
その資金のみなもとは、日本で稼いだ利益にあり
C社は、その元の利益源をたたきつぶしにきたわけです。

A社のトップが、アメリカのB社のトップに会いに行っても
けんもほろろだったそうです。
ケンカをふっかけてきたのはA社
わが社は、日本市場でもうける必要はない。
とにかく、日本のX製品の市場価格をめちゃくちゃにして
A社を痛い目に合わせると
C社のアジア・カンパニーのトップ陣は意気軒高なのだそうです。
中国人のパワーやおそるべし。

 (アルファ社⇔)A社←×→B社(⇔ベータ社)
           ↑
           C社
という構図です。

そのC社から、アルファ社に
部品の供給を依頼にきたのです。
日本ではアルファ社だけをパートナーだと考えている。
われわれと手を組もう!

A社がメインお客様であるアルファ社としては、
かなりきわどい立場に立たされたわけです。

 (アルファ社⇔)A社←×→B社(⇔ベータ社)
           ↑
 (アルファ社←)C社

という構図です。

もしC社が市場に乱入して、
製品の価格が暴落すると
部品価格にも、甚大な影響が出ます。
そうなると、わがアルファ社の存立基盤もふっとんでしまいます。

おまけにそうした事態の先を読んでかどうか
やや財務構造と株主=経営者の構成に
不安定要素を抱えているベータ社を
なんとB社が、子会社化して経営陣を送り込んで、
取り込もうとしているふしもあるのです。

そうなるとB社と関係を深めたいと
ねがっているアルファ社にとっては、
思惑とは異なる方向に世界がうごくことになります。

そもそも、こうした業界を破滅に導きかねない動きの張本人は
A社の a社長の経営の方向性にあるのです。
なぜa社長がそうした、戦略に打って出るのか?
その動機は?
それは、4年ある任期の間に、
存在感を親会社に示そうという
(A社は、日本を代表する巨大企業AA社の子会社である)
a社長の野心にあるようなのです。

こうした状況の中でアルファ社の経営会議は進行していきます。
わたしは会議に参加して、外部者として
アルファ社のアルファ社長、
営業などを統括するトップセールスマンのガンマ常務の
発言、意見を注意深く拝聴しました。

アルファ社長やガンマ常務のお話をお聴きしていて
こうした屋台骨を揺るがしかねないような
潜在的な危機状況の中で
そのプレッシャーに耐えて、
冷静に利害関係者の考え方とそれにともなう動き方を
分析し、推論し、予想し、討論していく
その思考方法が大変勉強になります。

とくにアルファ社長は、
ときに意思決定が遅い、指示が包括的すぎると
部下からは不満がでることもありますが
こと、こうした長期的、大局的な分析力は抜群です。

人によっては、ややとっつきにくいと思わせる
彼の性格うんぬんを通り越して、
こうした明晰な頭脳の持ち主を
リーダーとあおぐ企業は幸せです。

総務部長のデルタ部長も含めた3人の幹部の、
他者の思考、行動に対する
観察的、事実発見的、冷静で戦略的な、
マキアべり的思考方法は、

どちらかというと、思考が内向的で、
回りの言動を個人的に捉え、
あまり戦略思考ができないわたしには
常にとても参考になります。

こうした経営の具体的推進について
私が意見を述べることができる
貢献分野は少ないわけですが
私は私なりに、アルファ社の経営管理においての貢献活動で
こうした全体状況を共有できていることは
非常に重要な財産なのです。

それは、この会議に
今回から初めてでてきた若手の管理者の方々にとっては
私などよりはるかに大きく視野を広げさせる時間になったでしょう。

今日の経営会議は、デルタ部長が、
前任者と交代して不慣れな総務部門を管理して、
はじめてファシリテーターをつとめた会議でした。

参加者を拡大し、もともとコミュニケーション能力の豊かな彼が
その能力の片鱗を示し、
要所で時間管理しながら、
割合(失礼ながら)やわらかな思考と姿勢で
みなさんの発言を引き出しながらすすめていかれました。
まずまずのできばえ、
旧知のわたしも思わず拍手を送りました。

しかし、ひるがえってこれは私が、
もっと以前にそういう役を演じるべきであったという反省に
跳ね返ってきます。
それが思うようにできなかった原因は2つばかりあります。
ここでそれをお話しするのは遠慮しておきますが
同じような局面で、
次はしっかり対応していくことが
アルファ社長へのご恩返しではないかと思うところもあるのです。

コンサルティングに強い税理士小笠原/河原事務所 大阪 小笠原
でした。

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