御堂筋税理士法人創業者ブログ

先日、理想的な利益を出した

会社のお話を載せた。

覚えていらっしゃるだろうか?

 

後日、その会社の会議に

出てきたのでそのお話を

ご紹介しようと思う。

きっと生々しい中に

皆さんの参考になることも

多かろうと思うからである。

 

会議の前に社長とお話を交わした。

小生「先月の数字にはびっくりしました!

    あれは実力と見ていいのでしょうか?」

社長「たまたまの要素もありましたが、

    しかしいい方向に向かっています。」

そのあと会議に入った。

 

冒頭、前回の議事録によって

その後の取組みぶりをチェック

スピード感に欠けるものもあるが

まずまず前に進んでいる。

 

次に

もうけのカーナビで損益を確認

先月は、売上、粗利益、利益ともに

すばらしい成果だった。

 

ただ一点?と思った箇所がある。

それは運賃だ。

単月で8,000千円

電卓をたたくと

売上に対して6.3%ある。

累計平均が5.9%だが

何か異常があるはずだ。

 

あとでわかったことだが

返品の引き取りで1,000千円

の余分な運賃が掛っていたのだ。

大いに反省して、

今後に備えた。

 

しかしいずれにせよ

先月の業績の快挙である。

ここは、『拍手!!』だろう。

 

次に販売のコックピットの確認である。

ここでは主要な品種グループごとに

売上高、販売量、単価が示される

2種類の製品で顕著な

販売価格の低下、異常がみられた。

 

社長「これはなんや、Yちゃん」

営業「X製品は以前に契約した

   例のA社向けの分です。

   Y製品の異常は

   B商社経由のCホーム向けの分で

   B社も逆ザヤ担ている分です。」

 

つまり、過去の値決めの分が

尾を引いて異常をきたしているのである。

今後の止血状況を確認し、

さらに見積りの自動承認の基準や

例外の社長決裁の実施を指示し

次の検討に入る。

 

次は生産のコックピットの確認である。

まず仕入れ値だが先月に比べ

5円程度高くなっている。

在庫の単価も同様である。

ということは

来月のコストが

確実に上がるということである。

 

社長「値上げの方はどうなってるのだ?」

営業から、6月までの

主要顧客別の値上げ予定表が出てきた。

 

これはよい資料である。

こうした未来の管理資料は

価値があるのである。

私は、これを来月以降

予実で見れるように依頼した。

 

こういうことをぬかりなく

あらかじめしておくと

ターゲットを追いかける経営ができて

手落ちがなくなるのだ。

 

同様の課題をもつ方には

ぜひおすすめしたい。

こうした現場の智慧にあずかれるのが

私たちの冥利というものだ。

 

生産では以外に

歩留まりの改善が見られないが

顕著なことは、ここ2ヶ月

B級品といわれるできそこないの

量が激減していることだ。

 

これは先々月から

実施している歩留まり向上分の

4分の1を現場の社員に

還元するという

ストレートな動機づけ策が

功を奏している。

あの手この手である。

 

気になったのは

トラブルの停止時間だ

まだ40h近くある。

 

同席くださっている

大企業ご出身の顧問に

お尋ねした。

顧問「やはり月一回機械を止めて

    定修をすべきではないかと

    思っています。」

なるほど、さっそく実験してみよう

ということに決まった。

 

歩留まりと停止時間の

改善による増益効果を確認した後

私は顧問にお尋ねした。

 

小生「顧問から見られた

    現場の課題は何ですか?」

顧問「5Sでしょう」

なるほど、そうなのだ。

さっそく取り組み計画を

考えてもらうこととした。

 

次に採算のコックピットの検討に入る。

これは主要な製品の

売価、原価、加工費、利益の推移表である。

ここでみんなの眼が固まった。

 

なんと総合計で赤字なのである!

?????

なんで全体では最高の利益なのに

 

よーく話を聴いてみると

売値は先月の販売実績単価

原価は先月の生産実績単価

である。

これではタイミングのずれたものの

比較で役に立たない

ごみの数字がはじき出されている。

 

まだまだよく睨んでみると

こんなへんな数字が散見されるのである。

だからコックピットは

絶え間なくブラッシュアップ

していかなければならないのだ。

コックピットに完成なし!である。

 

販売した分の原価は

業務側でデータを取れるということなので

次月からはきちんとした

データが出るでしょう。

 

コックピットによる

業績の体系的な検討

が終わったので

次に個別の活動やパフォーマンス

のチェックに入る。

 

まず細かな品種別の採算チェックである。

まだまだ会社の皆さんは

どすーんと腑に落ちていないようだが

このメーカーの管理の最大ポイントは

製品別の製造における

機械1時間当り付加価値である。

 

工場の1時間あたりの固定費は

84千円である。

これを切る時間粗利の製品は

すべて利益不足製品

つまり貧血製品である。

 

先月の足元ではそのような製品は

だいぶ減ってきた。

さきほどX、Yそれに

以前から問題になっている

大手メーカー向けのZだけである。

 

これらについては

受注お断り、値上げ交渉等で

しだいに健全化が見えている。

 

この資料のパワーはすごいものだ。

要は、人間は変なところがわかれば

確実に改善がなされるというわけである。

 

次に停止時間分析である。

これは顧問に手助けいただき

しばらく棚上げになっていた

予防保全の対策を推進してもらう

ことで決定がなされた。

 

最後に販売予測と

顧客開発状況である。

 

販売予測では

3ヶ月予測をしてもらっているが

その精度が問題である。

とにかく毎月確実に

目標数量を出荷しなければならないから

この管理は枢要である。

 

それと顧客開発である。

結局、開発先が少ない、

また開発した先の粗利益が

紙のように薄いなどが

資料で明らかになった。

 

さすがにむっとなった。

表の右端には

『担当者コメント』という欄がある。

 

あれこれと書き込みがあるが

肝心のことが書かれていない。

肝心とは、買ってもらう対策であり、

増量の対策であり、

低粗利益率の対策である。

 

こういうタイトルがそもそもまちがいである。

ここは『対策』としなければならない。

でないと異常点に対する

感受性が乏しくなるのだ。

 

利益は出たものの

あれこれといろいろな課題が

まだまだある。

 

これらをつぶしていけば

十二分に年間利益1億は

余裕でいけるはずだ。

私は彼らはできると

確信している。

絶対にできる!

 

会計事務所と

経営コンサルティングの融合

 

御堂筋税理士法人&

組織デザイン研究所

 

ファウンダー 小笠原 でした。

 

 

現在まだ


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