コトラーのマーケティング・マネジメント~価格決定戦略
2011.07.16
ブログ
大阪のコンサルティング税理士 小笠原 です。
コトラーのまとめの、3日目、
価格決定戦略です。
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□価格設定戦略と価格プログラム
価格設定、価格適合、価格変更など価格は、
依然企業の市場シェアや収益性決定の最重要要素の1つである。
価格は収益を生み出すマーケティング・ミックス要素である。
その他の要素はコストを生む。
価格は最も融通のきく要素でもある。
製品特徴やチャネルと異なり、価格はすぐ変えることが可能だ。
価格競争は企業が直面する最大の問題であるが、
多くの企業が価格設定をうまく扱えていない。
価格に頼って売ってはならない。価格を売るのである。
■価格設定
価格設定の手順は、
価格設定目的の選択→需要の決定→コストの見積り→
競合製品のコスト、価格、オファーの分析→価格設定方法の選択→最終価格の選択
・価格設定の主要目標
生存、最大経常利益、最大市場シェア、最大上澄み吸収、製品品質のリーダーシップ。
価格を戦略ツールとして使う企業は、
単純にコストや市場に合わせ価格設定している企業より利益を上げる。
・需要の決定
価格はそれぞれ異なる水準の需要をもたらし、
企業のマーケティング目的に異なった影響を及ぼす。
需要は基本的には各価格水準に対応する需要曲線で表わされる。
需要を見積る第一ステップは、価格感受性を低下させる要因を理解すること。
また価格変化が需要に及ぼす変化率の影響=需要弾力性を知っておく必要がある。
・コスト見積り
需要が製品価格の上限を設定し、コストが下限を設定する。
適切な価格設定には、生産水準によるコスト変化、
生産蓄積効果(経験曲線・学習曲線)、
個別取引の真の収益性(活動基準原価)をつかむ必要がある。
コストを正しく測定できない企業は、
利益も正しく測定することができない。
そうした企業は活動努力の配分を誤りやすい。
顧客との関係で生じる真のコストがわかれば、
請求内容をよりうまく顧客に説明できる。
またターゲット・コスティングにより、
求められる機能と売れそうな価格を決め、ターゲット・コストが決まる。
コストの詳細を検討し、削減方法を考え、許容範囲内に収めようとする。
・競合他社のコスト、価格、オファーの分析
・価格設定方法の選択
マークアップ価格、必要利益価格、知覚価値価格、
安値価格、現行レート、入札価格の6つがある。
・最終価格の選択
価格選択においては付随する要素を考慮しなければならない。
すなわち、心理的価格設定、価格に対する他のマーケティング・ミックス要素の影響、
企業の価格設定方針、他の関係者に対する価格の影響である。
■価格適合
企業は、単一価格を設定するよりも、
さまざまな要素を反映した価格設定構造を設ける。
その際考慮することは、
地理的価格設定、価格割引や割戻、販促のための価格設定、
さまざまな差別的価格設定、製品ミックスからの価格設定である。
■価格変更の実施と反応
企業は、さまざまな動機・理由により値下げ、値上げをする。
・値下げ
過剰生産力、コスト引き下げでの市場支配の狙いなどの事情がある場合、
値下げする場合がある。
値下げ戦略には、低品質想起、脆弱な市場シェア陥落、資金不足でのがまん力欠如などの罠もある。
・値上げ
成功は利益の大幅上昇につながる。
値上げの主な要因はコスト増と過剰需要である。
値上げには、シンプルな値上げ以外にも割引の削減や、量を減らすなどさまざまな方法がある。
・価格変更
顧客の反応、ライバルの反応を考慮して動かなければならない。
他社の価格変更対応では、製品の同質性が高い場合、同調せざるを得ないことが多いが、
製品が異質な場合、他社の価格変更理由、一時的かどうか、
反応しない場合の影響や反応を考慮する。
最良の反応は状況によって異なるが、
考慮すべきは、製品のライフサイクル上の位置、ポートフォリオにおける価格の重要性、
競合他社の意図と資源、市場の価格感受性と品質感受性、数量のコスト影響、
企業の別の機会の存在など。
価格変更がある頻度でおこり、迅速な同調が重要な業界では、
価格反応プログラムを作って事態に備えておくことが賢明だ。
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以上である。いかがでしょうか。
コンサルティングに強い税理士法人小笠原事務所 大阪 小笠原
でした。