マキャベリの君主論に経営者の心構えを見た!
2011.09.14
ブログ
マキャベリの君主論を読んだ。
きっかけは、僕の弱い分野である政治学を読んで
その分野では、プラトンの国家、マキャベリの君主論、ホッブスのリヴァイアサンを
読まなければならないと書いてあったからだ。
現実主義者というよりも、理想主義者の色合いが強い僕には
この手の、策略系の本は苦手だ。
だが、しかたない、乗りかかった船だから。
この文庫の訳はすこぶる読みやすい。それに150ページと短い!
その中で心に響いたところをご紹介
第14章『軍備についての、君主の責務』というところだ。
これを君主→中小企業のおやじと読みかえれば
たちまち、皆さんの問題として読めるというわけだ。
★☆★☆★☆★☆
「さて君主は、戦いと軍事上の制度や訓練のこと以外に、
いかなる目的も、いかなる関心ももってはいけないし、
またほかの職務に励んでもいけない。
つまり、このこと(上のふたつのことをいっている)が、
為政者がほんらいたずさわる唯一の職責である。」
⇒これを経営者になぞらえると、
仕事のしくみ化と社員のしつけということになる。
「逆に、君主が、軍事力よりも優雅な道に心を向けるとき、
国を失うのは明らかである。
要するにあなたがたが、国を失う第一の原因は、
この職務をなおざりにすることだ。」
⇒だから実際わたしのまわりの業績をあげる経営者は
外部交流やあそびはほどほどに切り上げているかしていない。
「こう考えてみると、君主は、かたときも
軍事上の訓練を念頭から離してはならない。
平時においても、戦時をもしのぐ訓練をしなければならない。」
⇒なるほど、備えあれば憂いなしだな。
「そこで、訓練には二つの方法がある。
一つは行動によるもの、もう一つは頭を使ってするものである。」
「なお行動についていえば、兵士をたくみに組織化し、
軍事訓練をさせるのはもちろん
ほかにも自分がつねに猟場に行き、狩猟を通して
困苦に耐えられるように、身体を慣らしておくのである。
またその間に、各地の地形の特徴をおぼえ、
・・・よく理解しておかなくてはならない。」
⇒君主はつらいな、やはり外に出て情報を収集しなきゃな。
「さて、もう一つの、頭を使っての訓練に関しては
君主は歴史書に親しみ、読書をとおして
英傑のしとげた行ないを、考察することが肝心である。
戦争にさいして、彼らがどういう指揮をしたかを知り
勝ち負けの原因がどこにあったかを検討して、
勝者の例を鏡とし、敗者の例を避けなければならない。
とりわけ英雄たちが、過去に行なったことを
そのままやるべきである。」
⇒やっぱり読書かあ。そうやなあ!
「聡明な君主は、こうした態度をこそ守るべきである。
平時にあっても、断じて安逸をむさぼることなく、
この心がけを金科玉条として励み、
逆境に立った場合にも、十分に生かせるようにしなくてはいけない。
たとえ、運命が一変してしまったときでも、
運命に耐えられる心構えがなくてはならない。」
⇒そのとおり!
この本、途中の君主の心構えのところは
鋭い人間観察により
なるほどと唸らされる記述がそこかしこに
キラ星のごとくちりばめられた名著である。
でも、読むにつけ
経営者のしごとはストイックだなあ。
まるで修道士みたいだ。
みなさんもその覚悟で!
コンサルティングに強い税理士法人小笠原事務所 大阪 小笠原
でした。