御堂筋税理士法人創業者ブログ

究極的な業績の指標として

総資本利益率 という概念が

紹介される。

ドラッカーの本でも

そのように書かれている。

 

算式は、利益÷総資本である。

事業になんぼお金を使って

なんぼ儲けたか?

その率が普遍的な

経営のうまいへたの

ものさしであるというわけだ。

 

まあ、元手に対して

なんぼ儲けたかだから

そのとおりかもしれないが

わたし的には

いまいちピンとこないのだ。

頭がわるいのだろう。

 

なけなしのへそくりを

何に投資したがよいかという場合には

この計算式は納得感があるのだが…

 

というわけで

年末から年始にかけて

お金を使うことと儲けの関係

究極の儲けのものさしとは?

ということで

老いた脳みそで

あれこれ考えていた。

 

そこで自分なりに考えたのが

これから述べるお話である。

 

事業のカネは資本だが

そのカネは二通りに使われる。

 

一つは、いわゆる資本だ

それは、土地や機械など

儲けを生み出す物的資本と

在庫や売掛金という

生み出されるものと

顧客に貸し付けている運転資本だ。

 

もう一つは

材料の仕入や経費として

使われてします費用である。

(在庫と仕入とは同じものだが

ここは性質のとらえ方の便宜のために

分けておく)

 

これら4つのお金を使って

なんぼ儲けられるかとゲームである。

 

これら4つのお金の

それぞれの使う際のかんどころは異なる。

 

物的資本は、水準の設定と稼働の監視だ。

運転資本は、回転率つまりいかに短く、少なくだ。

材料仕入は、付加価値をつけられるかだし

経費は、生産性=効率である。

 

材料は、それを使って

なんぼ粗利益をくっつけられるかであって

それはアイデア、おつむの勝利であるし

また歩留まりや節約のアイデアと管理力だ。

これは、主に売上の単価に関係する。

 

経費は、つかう水準を決めなければならない。

そして支払ったら最後、使い倒すことだ。

(多少はしたない言葉遣いだがご容赦)

これは、主に売上の数量に関係する。

 

ここまでのところをまとめると

次の4つの関係が見えてくるのではないか?

 

物的資本 → 売上 …水準

運転資本 → 売上 …回転

材料仕入 → 売上単価 …付加価値

経費    → 売上数量 …水準と効率

 

ところで物的資本や運転資本には

使う量によって、いろいろと

費用やロス、リスクがかかってくる。

設備なら、管理費用、メンテナンス費用

在庫なら、管理費用、陳腐化リスク

売掛金なら、管理費用、貸倒れリスクだ。

またすべてお金だから金利がかかる。

 

この資本の使い方の多い少ないが

利益にどれくらい影響するかを

簡単に方程式で計算してみた。

 

モデルは製造業

売上は10億、総資産も10億

材料仕入が6億

経費が2.7億(下記以外)

利益が30,000千円である。

 

お金にかかる金利が3%

売掛金の管理費が3%、貸倒れが1%

在庫の管理費が10%、陳腐化が5%

物的資本の管理費が5%である。

 

細かい計算は省略して

総資産を5億に圧縮して経営すると

利益が80,000千円

総資産が15億にふくらむと

利益が-20,000千円となった。

 

このモデルでは

材料仕入と経費の働きは

考えに入れていない。

 

仮に材料仕入を3%節約し

経費の生産性を10%上げると

それぞれ18,000千円と27,000千円

の出費の節約が出るから

さらに上以外に45,000千円の効果がでる。

 

確かに大きな利益の差が

出るものである。

まだまだ粗削りだが

ゆっくりと掘り下げてみたいテーマだ。

 

「勤勉ではなく、

 節約が資本増加の直接の原因である」

(アダム・スミス『国富論』)

 

やっぱりええこといわはるなあ

耳のいたいことである。

 

経営コンサルティングと

会計事務所の融合

 

組織デザイン研究所&

御堂筋税理士法人

小笠原 でした。

 


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