なぜＮ社は利益が出るようになったのか？

Ｎ社は、住宅資材に関わる会社である。

同社に毎月おじゃまするようになって

はや４年になろうとしている。

私にたいする依頼者は後継者であったが

その間に、経営はこの後継者に引き継がれた。

同社は製造部門と商社部門をもっている。

おかげさまで今期はだいぶ利益が出るようになった。

この４年の間に

・社員のアンケート調査や幹部などとの面談

・経営計画の策定

・経営のコックピットの整備

・経営会議の実施

・マネジメントスキルの訓練

・製造部門の幹部の勉強会の実施

・トップ間のコミュニケーション

・後継者の価値観の学び

・営業責任者の紹介入社

・経理システムのチェックと指導

・営業のしくみ化

・現場若手の訓練

・弊社の集合訓練などへの組織的参加

その他さまざまなことに

ごいっしょに取り組んできた。

前期、消費税の駆け込み需要で

ひとつのブームがあったことは確かだ。

しかし、経営レベルの稚拙さから

機会損失もだいぶあった。

そのなかで一定の利益をたたき出したことは

やはり経営の体質が高まった証左ではないかと

経営者と同様に私も思っている。

しかし私の貢献など乏しいものだろう。

たまさか後継者・経営者の

思考と意思決定の相談役となったくらいのものだ。

やはり、頼りになる幹部に人を得たということが

最大の成功要因だろう。

また、人材を活用しえた

父と子の経営者お二人の度量が

これまた最大の成功要因である。

私がご紹介した幹部は

上場会社のご出身で

わたしが親しくさせていただいていた

同社の幹部の方から

たまたまタイミングがあった後輩を

ご紹介いただいた。

これは本当にご縁だとしかいいようがない。

この方は

結局は、企画や管理に手腕を発揮され

その経営者に対しても

歯に衣着せぬ諫言で

このおよそ管理が土壌にない会社に

大きなトルクをかけることに成功した。

彼の最大にして、余人に得難い特質は

この経営者に対する諫言である。

さらに、

製造部門にこれまた

大手半導体企業からの転進者で

まだ若い管理者を得た。

私も早期に製造責任者に推挙し

会社にとってとてつもない知恵をもたらしている。

そのほかにも

役所のＯＢで労務にたけた方に来ていただき

その方も相当に近代化された。

最近、わたしがとみに立派だと感じるのは

前の社長であられた会長さんである。

以前は、大変失礼ながら

多少首をひねる言動も見られたが

昨今は、こうした人を得たことで

かなり抑制された、おおらかなガバナンスをしておられる。

それが、本来お持ちの人柄の暖かさを

表出させているのではないか。

なによりも、悩まされていた

資金ポジションの改善が

顕著なこともそうした安定感を

もたらしていると感じている。

さて、こうした人材を得て

社内の若手も育ってきた。

まだ営業やその他２、３の人材が必要だが

人材の確保が厳しい昨今

これには継続的な努力とサポートが必要だ。

このたびも私の知り合いの

リクルーティング業者をご紹介した。

この後、現経営者の

さらなる成長が期待される。

まじめ（すぎるくらい）の経営者だが

最近は、ワンステップ

経営についての知識を

経営実践に活かす力が

あがりだしたように感じている。

とても楽しみで期待している。

この後、まじめさが時にきまじめさとして、

部下に対する厳しい言動となることが

さらに少なくなればなるほど

それに反比例して

相当な成果を出されていくのではないかと感じている。

さきほどの歯に衣着せぬ

大企業出身の幹部も

彼には手厳しいフィードバックを辞さない。

私もそこまでいかないが

慕ってくれる経営者のまごころに対して

しっかりとその思いを受け止め

自分の立場を自覚して

僭越ながらリードできればと決意している。

この４年をふり返って

活動とその結果を考えてみた。

これからは

高業績企業に向けて

いよいよ離陸の段階に入る。

経営者の思いは

売上高経常利益率１０％という高い目標である。

これは、わが社の５年くらいのスパンの戦略とその推進にかかる。

とてもやりがいのある挑戦になるだろう。

こうした場に臨席して

すなおな若き幹部たちが

一人前のビジネスマンとして

育っていくことに多少の貢献をできるとしたら

冥利に尽きるところである。

会計事務所の可能性を追求する

御堂筋税理士法人＆組織デザイン研究所

大阪　税理士　小笠原　でした。