御堂筋税理士法人創業者ブログ

昨日、東京のりそな総研さまで
「ドラッカーに学ぶ
『儲かる会社』にする経営者の仕事」
というセミナーをさせていただいた。

さて、その日のセミナーは
参加者の皆さんがとても積極的で
小グループのお話合いも
とても活発で結果としては
終了に際しては、盛大な拍手もいただき
大変よい雰囲気で終えることができた。

しかし、実は
ご受講くださった皆さんには
申し訳ないなあと感じていることがある。

それは、私自身が
内容に説明について
納得のいっていないところがあったからである。

その箇所は、ドラッカーが
『創造する経営者』という本の中で
事業の現状分析について
書いているところ内容である。

私自身は、もう幾度となく
このセミナーをさせていただいており
テキストも一応確立してはずなのだが・・・。

結局、私自身
まだまだ腑に落としていないところが
あったのだと実は思っている。
大変申し訳ないのだが。

なので、自分自身がはがゆく
帰りの新幹線の中から
がまんができずテキストを作り変え始めた。

パソコンの中に入れてある
創造する経営者の要約を読みなおし
腑に落ちていない点
よく趣旨が理解できていない点を
再度、脳みそにしわを寄せて
読み、思考してみた。

今日も朝からベッドの中で
パソコンをたたきまくり
大幅にシートを入れ替え
相当あらたなシートを作成し
ようやく、自分自身が
企業の現状分析について
その流れ、意味合い、目的など
全容、輪郭をつかめてきたように思った。

実はこの現状分析法は
ドラッカー流の企業の分析から
戦略の構想に向かう
ある意味ドラッカーの
経営コンサルティングの方法論である。

彼は現状分析をするにあたって
次のような仮説をもてといっている。

1 成果と資源について
  ・成果・資源は企業の内部にはない、いずれも外部にある。
  ・成果は、問題の解決でなく、機会の開拓により得られる。
    成果をあげるには、資源を、問題ではなく、機会に投じる。
  ・成果は、市場でのリーダーシップによってもたらされる。
      いかなるリーダーシップも、うつろいやすく短命である。
2 活動とコストについて
  ・既存のものは、古くなる。
  ・既存のものは、資源を誤って配分されている。
  ・業績のカギは集中である。

これ自体もかなり深いお話である。
それを分析によって確認していこうというのである。

その方法論として
・製品別収益性分析
・製品のリーダーシップ分析と
 ライフサイクル上の地位分析と
 人材と資金の投下状況
・コスト分析を行なう。

実は読み手にとっては、最初の
製品別収益性分析自体でお手上げになる。
それは管理会計の知識がないと
理解不能だからだ。

それを越えると
製品のリーダーシップ分析
ライフサイクル上の地位分析がでてくる。

製品のリーダーシップって
なんじゃらほい?
それは、わが社の製品が
他の製品に比して
優先的に買われているかどうかである。

さらに製品のライフサイクル上の地位とは何?
製品にも寿命があり
今ライフサイクルのどこにいるか?
それによって競争力と収益力
資金の必要度がちがっているのだ。
この辺、人間、家族構成とまったくおなじだ。

その辺がさきほどの見る目=仮説とともに
分析のあり方が腑に落ちてくると
話はがぜん面白くなる。
だって、仮に分析の結果
わが社の商品に
ろくなものがないとわかれば
それはすごいではないか。

しかし、それを克服しても
さらなる難題がある。

それがコスト分析だ。
だいたいがコストは難問だ。

なぜならコストを減らしたいのは
経営者の常だが、
それが実現できた経営者はまれだからだ。

どうして分析したらよいか
どうしてコストを減らせられるか
ノーアイデアだからだ。

そこを彼は、
コストセンター・コストポイントという
コストがかかっている活動を特定し
コストを4つの性質に分類して
この難題にとりかかる。

そして、コストに取組みための
原理や手順をたんたんと述べている。

書いている文字は日本語だから読めるが
はたして、その意味合い、
ではどうすればいいのかとなると
かなり途方にくれる。

実は次のように書いてある。
『コスト管理の5原則』
1  コスト管理は最大のコストに集中する。
2  コストは種類によって管理する。
3  コスト削減のもっとも効果的な方法は、
  その活動そのものをやめること
4  コスト管理の成果をあげるためには、
  事業全体を視野に入れなければならない。
5  分析対象のコスト構造は、
  経済的価値を生むための全経済活動である。

1、2、3はまだしも4、5を読んで
何をしたらよいのだろうか?
皆さんはどう考えるでしょう?

実は
4は、部分最適でなく、全体最適を問うている。
5は、メーカーから小売までの全プロセスを通じた
価格を対象に分析しなければならないということ。
かなり大がかりですねえ。

またコスト分析法としては
次にように書いてある。
1  大きなコストが発生し、
 効果的な削減が大きな成果
 をあげるコストセンターを見つける。
2  主たるコストセンターにおける、
 コストポイントを見つける。
3  事業全体をコストの流れとして見る。
4  コストは顧客が支払うものとして定義する。
5  コストの基本的特性によって分類し分析する。

コストセンターとかコストポイントとか
専門用語は別にして
まあ物流費とかでかいのを狙い撃ちということだ。
それはそうだな。
そして3,4は上の4,5と同じ話だ。
すると最後の5が問題だ。

これがコストを
生産的、補助、監視、浪費にわけて
それぞれで分析し、対策を打てというわけだ。

方法論としてはわかるが
中小企業でどうするか
これがなやましい。

なぜなら、話を進めようとした瞬間に
あれもできないこれもできない
理由はね・・・という
慣性の法則(変化を嫌う)が働くからだ。

このコストとやら、一度、
お客様で物好きな方がいらっしゃって
「小笠原さん、好きなように料理してちょ」
といわれたらやってみたいなあ。
まあ莫大な時間がかかりそうだが・・・

さて、さらに細かな内容については
また機会があれば
くわしくお話ししたいが

こうしてドラッカーの書物と格闘することで
わたしにとっては実りの多い
思索と制作の時間となった。

さっそく、りそな総研さんに
できあがったテキストをお送りし
来月に大阪で開催される
同名の講座のテキストを
変えていただくこととした。

ひと仕事終えて
多少はすっきりした気分である。
ちょっと抽象的で
わかりにくかったかな今日のブログは?

会計事務所の可能性を追求する
御堂筋税理士法人&組織デザイン研究所
大阪 税理士 小笠原 でした。

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