御堂筋税理士法人創業者ブログ

大阪のコンサルティング税理士 小笠原 です。

A出版社のF編集長さんから夕刻メールをいただきました。

「先日から相談している企画の件
会議にはかってみたいのでサンプルの原稿書いてもらえませんか?」

すわっ!先延ばしにしていた課題が目の前に!
こういうところが、他者の存在のありがたいところ。
だらだらしている自分に結果的にかつをいれてくださる。

「わかりました。あしたの朝までにメールします。」

正月ボケでほとんど働いていない脳みそにむち打って
つむぎだした原稿が下記のとおり・・・

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仮題

儲かり続ける会社づくりに役立つ超カンタン経営理論

~高業績企業を創るための5つの取組み

 

 

1.経営計画を立てる

・経営計画とは、作って・役割分担して・実行チェックしていく
  プロセスだ。

 (P・F・ドラッカー 『マネジメント』より)

 

ピーター・ドラッカー先生は、
わたしがもっとも尊敬する経営思想家です。
だからいつも名前をお書きするときには、
どう敬称をおつけしたものか悩んでしまいます。
「先生」「師」「教授」・・・。
まあ、いまはそういう思いだけをお話しして、
大変失礼ですが以後歴史上の人物として
呼び捨てでご勘弁いただきましょう。

 

ドラッカーは、ぼう大な数の本を書いていますが、
わたし的には、『マネジメント』『創造する経営者』『経営者の条件』
の3つをドラッカー三部作だと思っています。

それぞれの内容をかんたんに紹介すると、

『マネジメント』は、経営者・幹部に贈る
経営についての考え方全書であり、

『創造する経営者は』は、経営者とコンサルタントのための、
経営分析と経営計画の進め方であり、

『経営者の条件』は、ビジネスマンに贈る、
だいじにすべき仕事の5つの原則、

といったものです。

 

そのうち『マネジメント』は、
ドラッカーの名を日本の経営者のこころに深く印象づけた
「企業の目的は顧客の創造である」ということばで
有名な1冊です。

 

そのくだりにつづいて、
「戦略計画とは、企業家的なリスクを伴う意思決定を、
可能な限りの知識をもって体系的に下し、
意思決定の実行に必要な活動を体系的に組織し、
意思決定の結果を組織的かつ体系的にフィードバックし、
期待と比較測定する連続したプロセスのことである。」
というところがあります。

 

わたしは、このところにビビッときたのです。
それはなぜでしょうか?
皆さんの会社では、経営計画が実際の経営で機能していますか?
わたしは若いころから、お客さまに経営計画のだいじさをうったえて、
いっしょに作って、その実行にたずさわってきたわけですが、
はじめのころは、まったく作っただけの絵に描いたモチでした。
なぜ多くの会社で経営計画が計画倒れになるのか?
せっかく作ってもたなざらしになるのか?
という実践上での問題でなやんでいたわたしに、
ズバッと答えを与えてくれたのがこのくだりだったからです。

 

わたしは、ふだんこの戦略計画ということばを
経営計画におきかえて、次のようにお客さまに説明しています。


経営計画の定義
 


経営計画とは

①企業家的なリスクを伴う意思決定を、
 可能な限りの知識をもって体系的に下し、

②意思決定の実行に必要な活動を体系的に組織し、

③意思決定の結果を組織的かつ体系的にフィードバックし、
 期待と比較測定する
連続したプロセスのことである。


つまり、
経営計画とは、わが社の未来についての仮説の構築と検証のプロセスである。

 

仕事がら、多くの会社の経営計画のことについて書類を拝見し、
お話をお聞きすることが多いのですが、
経営計画がうまく機能していない理由として、
次のような問題点を感じています。

 

①経営計画の内容が単なるスローガンと数字であり、
 具体的取組みの内容・手順がない。

②経営計画を作って事足れりとして、実行にうつっていない。

 

 なぜこういうことになるのかなあと、かつてよく考えることがありました。そのときわたしが思ったことは、
「経営計画を」のあとにことばをつづける場合、
多くの人は「作る」ということばを思いうかべるのでは
ないのかなあということでした。

「実行する」ということばを思いうかべる方は少ない?
さて、皆さんはどうでしょうか?
それで、実行するのを忘れてしまう!?
あまりにうがったものの見方でしょうか?


 そこに、ドラッカーは、いやそうじゃないんだよ、
経営計画は作って、実行管理するプロセスなんだよと、
教えてくれたわけなのです。

「そうなんだ!経営計画は(作って、実行して、チェックする一連の)
プロセスなんだ!」と、
ズバッと教えてくれたのがこの部分だったのです。

 

 それ以後、わたしは経営計画のお手伝いをするときは、
作ることもさることながら、
いかに実行管理をしていくかにエネルギーをそそいでいくことにしました。

それが、このあとお話ししていく学習組織づくり、
会議のファシリテーションや組織開発といった、
いかに率直に経営計画をふりかえり、対策検討、意思決定していくか
という風土づくりの実践につながるのです。

 

 いかがでしょうか?
経営計画とは、作って実行管理する全プロセスをいう!
しっかりと肝に銘じて、経営にあたりたいものです。


ピーター・フェルディナンド・ドラッカー(1909~2005)

 オーストリア生まれ、ナチを逃れてアメリカ合衆国へ移る。戦後、GMの研究からマスコミにデビュー。透徹した洞察力で社会と企業を見つづけ、「経営学」を創始した男と称される。戦後の日本の経営者に多大な影響を与えた。代表的な著書としては、『会社という概念』『現代の経営』『創造する経営者』『マネジメント』『経営者の条件』。

 

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とまあ、こんな感じでなぶり書きして、Fさんにお送りしました。

そのあと、ご丁寧に受領確認のメールをいただきました。

わかりやすくて良い文章ですね。
さらに、よりよくと思って少し手を入れてみました。
ということで、編集をしていただきました。
この編集は、フィードバックでして
これが、とっても勉強になります。
Fさん、ほんとうにありがとうございます。

みなさんのおかげでしごとをさせてもらえる。
ありがたいことです。

コンサルティングに強い 税理士法人 小笠原事務所 大阪 小笠原
でした。



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