御堂筋税理士法人創業者ブログ

もっとも古くからのお客様のお一人であるM社のK社長が逝かれた。
かなり重篤な病を得て療養中であった。
お見舞いの間もなく、とく逝かれた。

M社は、わたしが出口先生のところに修行に行った折
担当させていただいた、もの作りの会社であった。

当時K社長は30代前半
まだご高齢のお父さまが社長でおられた。

たしかK社長は、お父さまの妹さんのご子息であったが
子宝に恵まれなかった、K家の養子になられたのである。

お若い時から、柔和で、人間関係を大切にされ
従業員を大事にしておられた。

わたしは、当時二十歳代後半、
生来、もの作りが好きで
毎月、伝票のチェックにおじゃましては
数字のチェックに必要な場合
よく、事務所の下の工場に行って
いろいろ工程を教えてもらったのがなつかしい。

TKCの試算表を経営的にもっと活用できないかと
ユニット分析を使って、製品1個当たりの限界利益管理の相談をしたり、
内部監査の勉強にご協力いただいたり
自由に実験的取組みをさせていただき、わたしもおかげ様で成長できた。

お父さまのお見送りをさせていただいたのが25年前
90歳を目前の大往生であった。

時を経るにしたがい、工場の周りはしだいに立て売り開発がなされらていく。
先住のM社は、行政や住民からの要望に押されて
さまざまな近隣対策を強いられた。

また、必要に追われて設備投資もせざるをえず
さらに、お客様の工場の移転などもあって、
経営の課題も絶えることがなかった。
そのかじ取りは大変だったと思う。

それでも、工場のとなりに立派なご自宅を立てられ
三人のお子様を大切に育てられた。

さいわい、ご子息が立派に成長されて後を継ぐべく
会社に入っておられた。
彼も、うちの事務所に来られて、経営計画やリーダーシップの勉強もされた。

今日は、立派に喪主を務められて、心に響くごあいさつをされた。
最後のお別れの折、拝見したお顔は
それほどおやつれでなく、生前と同じ柔和な笑顔であった。

わたしは、静かに彼岸に旅立たれたそのご尊顔を拝し、
永年のご苦労へのねぎらいと、とてもお世話になったお礼と、
この後しなければならない使命をまっとうするお誓いをさせていただいた。
深く々々黙とうした。

棺のそばに立っておられた奥様のお顔を久しぶりにお見受けし、
「小笠原でございます。」とごあいさつをしたら
「助けてください。」とおっしゃった。
心にその言葉がストレートに届き、心の中で共鳴した。

少し落ち着かれたら、
これからのことを、数字もしっかり押さえつつ
ご家族のご希望もお聞きしながら
きちんとご相談しなければならない。
若き後継者を盛り立て、奥様やご一家や従業員の皆さまがつつがなく過ごせるために。

コンサルティングに強い経営エンジン研究所/税理士法人小笠原事務所
大阪 小笠原 でした。


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