御堂筋税理士法人創業者ブログ

大阪のコンサルティング税理士 小笠原 です。

今日から出張で、初日は東京にきました。
午前中、お客様の東京営業所さんにおじゃまし
社員の皆さんのヒアリングをしました。
個室がなかったので、近くの喫茶店を探してもらい
おひとりづつ順々に来ていただきました。

ヒアリングを通じてわかったことは
皆さんがかなり会社(≒経営者)に対して不満をお持ちだということでした。
それは皆さんが意見具申したことに対して
トップがきちっと対応していないことへの不満でした。
たとえば、決定をしない、しても長続きしないなどでした。

また東京はマーケットの中心地です。
そこで皆さんが感じたわが社の製品の問題点を
会社に訴えても、感受性がにぶく
反応が悪いことも、相当なフラストレーションになっていました。

中には、わたしに対して不審な気持ちをお持ちの方もおられました。
じっくり気持ちをお聞きして、こころをほぐしていただきました。
そして、心情を吐露していただけたと思います。
やはり、日ごろ抱えていることを話していただくことは
それ自体が、とてもカタルシス(気持ちが楽になる)になるんだ
ということを体感させていただきました。

この機会は、とても参考になったヒアリングでした。
皆さんに、レポートの形でご報告することを
お約束して辞去しました。

お昼から、別のお客様のところに行きました。
2代目さんが元気でお迎えに来てくださいました。

さっそく会社に行って
社長、2代目さん、奥さんと3人で
ある事業部門の事業計画について
現状と目標のヒアリングをしました。

話をお聴きして気がついたことは、目標や取り組み内容について
彼自身の頭の中で、あだぼんやりしていることでした。
そこで、質問によって、彼の頭の中を
明確化してもらい、整理をしてもらい
課題とそれを遂行する道筋を明らかにしてもらいました。

問答が終わって、わたしが「いまの問答はどうでしたか?」と訊ねると
2代目さんが「目標はあったのですが、それと活動とのつながりが
明確でなかった。とても頭が整理されました。」と
答えてくれたので、わたしはそれはよかったと感じました。

他の経営課題もこういう形で整理して、下期の目標管理シートを
しっかり立てたいとのことでしたので
わたしは、来月1日とってテーマ別にこの問答をしましょうと
提案し、ぜひそうしようということになりました。

この内容を会議で説明してほしいということなので
エクセルにちょこちょこと、今まとめたことを
フォーマット化して説明資料化しました。

夕方からの会議で、きびしい経営環境の下
それでも、賞与は出して、雇用は維持したいということを
社長に話してもらい、社員のコミットメントを得たい
という2代目さんのねがいのようです。
2代目さんが社長に念押しされ、口の重い社長さん・・・
長い沈黙の時間になりました。
社長も思案、しぶしぶ(のように見えた?)了解されました。

ちょうど社長さんと二人になったとき
社長が、ご自分の手腕のなさをいつものように語り出されました。
それで、ちょうどよい機会だと思い
質問により、そのことを深く考えていってもらいました。
だいぶ話が明確になったので
わたしから、フィードバックをさせていただきました。

会議の冒頭、ファシリテーターから水を向けられて
社長が話をし始められました。
話は、個別の業務や案件の話を
引き合いに出されながらでしたので
たぶん出席した人たちは、
いいたいことは理解はされたでしょうが
訴えるものは少なかったように思いました。

2代目さんに補足を願ったら
ご自分の心情を、率直に切々と訴えられました。
そして力を貸してほしいと頭を下げられました。
みんなの心に響くものがありました。
幾人かの眼には涙が光りました。
わたしもジーンとなりました。

話が終わると、自然に拍手がわきました。
それは初めての自発的な拍手でした。
場のエネルギーが初めて動いたような気がしました。
それで、私が
「せっかくだから、皆さんおひとりづつ簡単でいいので
感じたことを話してくださいませんか?」とお願いしました。

みなさん、口々に
「話を聴いて、もっと真剣にしごとに取り組まなきゃと思いました。」
「私は力になります。」
「僕がリーダーシップをもってがんばります!」
とおっしゃってくださいました。
とってもよい時間でした。・・・

休憩をはさんで、
簡単に計画の課題推進状況のレビューをしました。

前回の宿題についてファシリテーターが順番にチェックしていくと
社長のご担当のところで、社長が
「それはまだやってません」「それもまだ」
「それはああだこうだ(話のすり替え)」
を連発されましたので、場のエネルギーがすごく落ちました。
わたしが「社長、少しきびしいフィードバックを
させていただいてよろしいですか?」と前置きして
お話をさせていただきました。

「社長が、宿題をやってないという報告を聞いたら
 社員はどう感じるかお分かりですか?」
「社員のモチべーションはものすごく下がりますよ。
 それに、社員は『僕もしなくてもいいよね』と思うのじゃないですか?」
「こんな会議をいくらやっても同じですよ。やめられたらどうですか!」
と申し上げました。
場に公正さを持ち込んで、エネルギーを高めようとさせていただきました。

そして
わたしが来月に皆さんと取り組みたいことをお話する番になりました。
さきほど書いた、
成果とそのために必要な活動の量とプロセスを明確化することを、
・既存顧客との取り組み、
・新規顧客開発の取り組み、
・新規商材開発の取り組み
でもいっしょに考えて、目標管理の行動計画を立てようと
いうことをお話ししました。

そしてまた、
今、他社で、危機感に触発され、責任感をもっている
経営者・2代目の方々がどのような取り組みをされているか
具体的な事例でご紹介しました。
そして皆さんにもっと課題に真剣に考えて、取り組んでほしいことを
お願いしました。

それは、わたしの目から見ていても、わが社では
皆さんが、あまりにも課題について考えを
深堀りしていないと感じたからです。

それは、社員の方々だけの責任ではなく
経営者そして関わる私が無責任だったからです。

そして、
もっと深く考えて行動しないとわが社は永遠に変わらないこと
そうすることが2代目さんに力
を貸し
この私たちの働く会社がよくなり、
ひいては、皆さんが幸せになることじゃないかと
叱咤させていただきました。

わたしもこの会社により責任感をもって
サポートしていきたいと強く強く念じました。

最後に社長に、秋に実施する
幣所のリーダーシップ研修に、若手リーダーの方と
ごいっしょにご参加されることを強くお薦めしました。
2代目さんと奥さんも、深く同意されました。

社長、まだまだやる気をなくすのは早すぎます。
社員の声をよく聴かれて、こころの叫びを受け止めてげて下さい。

この2つの体験から、共通して感じたトップの課題は
社員のこころの叫びを、真摯に受け止める感受性と
それに対して、意思決定して実行していく大切さでした。
皆さんはどう思われましたか?

コンサルティングに強い税理士小笠原/河原事務所 大阪 小笠原でした。


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