御堂筋税理士法人創業者ブログ

前回に引き続き、経営理念の話である。
今回は、いかに経営理念を
社員に浸透させるかの問題である。

さあ、皆さんの会社はどうだろうか?
社員が、経営理念や行動指針を体して
仕事をしているだろうか?

経営得理念を浸透させるためには
次の3つが必要だと思う。

①経営理念を暗唱できるようにする。
②日々の仕事で行動と経営理念とを結びつけて指導する。
③みずから手本を見せる。

1.経営理念を暗唱できるようにする。

朝礼で経営理念を暗唱させる。
100日以内に暗唱できるようにする。
自分のものにするには暗唱させなければだめだ。
覚えてもいないのに行動できるはずがない。

2.日々の仕事で行動と経営理念とを結びつけて指導する。

まず、朝礼で経営理念に結びつけた行動成果を発表させる。
次に、日々の指導で経営理念に関係づけて質問をする。
さらに、失敗をしたときに経営理念との関係性を問う。

3.みずから手本をみせる。

経営者みずからが最大の経営理念のしもべで
なければならないのは当然だ。
『修己治人』・・・己を修めて人を治めるである。

この場合、ストイックな姿勢が必要だ。
ストイックはストア学派の専売特許だ。

セネカはこう教えてくれる。

「自分への見張り番を立てること、
君がふりかえり、自分の思索に関与してもらう
のがよいと考えられる人をもつことは。

たしかに、さらにずっとすばらしいのは、
だれか良識ある人物がつねに
目の前でみているかのように生きることだが、
わたしは次のことでも満足する。

つまり、何を行なうのでも、
見つめている人がいるかのように行なう、
ということだ。

孤独はわたしたちに
どのような悪事でもそそのかす。

君がたいへんに修養して
自分に敬意がもてるほどになったなら
監督官を解雇してもよいだろうが、
それまでは権威ある人々に自分を見張らせたまえ。

それは、かのカトーか、
スキーピオーか、ラエリウスか、
あるいは、その他、その人が介在すると
ごくつぶしの人間も
悪行への手を引っ込めるような人だ。

そうして、一緒にいると過ちを犯す気にならないような
人間になるまで続けたまえ。」
(倫理書簡集25)

また、儒教の教科書『大学』はこういう。

「小人閒居して不善をなす、
至らざる所なし。
君子にまみえ、しかるのち厭然として、
その不善をすて、
而してその善を著わす。
人の己を視る、
その肺肝を視るがごとし。
すなわちいずくんぞ益あらん。
これを中に誠あれば、外にあらわるという。
ゆえに君子は必ずその独りを慎むなり。」
 
つまり『慎独』がだいじだというわけだ。
ひとりでいるときに悪いことをしないことの
必要性を論じている。

小人は、独りでいれば必ず正しくないことをして、
いかなる不善なこともしかねない。

そのような小人でも、
君子の前に出ると、
さすがに自分が恥ずかしくなり、
正しくないところを覆い隠し、
正しい部分だけを著わそうと努める。
それは小人といえども
天から明徳を受けている証拠である。

ただ私利私欲のために
明徳が曇って
そのようになっているのである。

小人は、閑居して不善をなして
自分の利を得、
自分の功をなすと考えるかも知れないが、
それは皮相な考えであり、
識者から自分を見れば
心の奥底まで見抜かれていくものである。

だからそうした行ないは
何の役に立つものではない。

中に誠あるものは
必ず外に表れて来るものである。
その点は不善をおおい隠そうとするのと
反対である。

それゆえ、技巧をろうして
不善をおおうことではなく、
根本である、独りを慎んで
自己をあざむかない工夫が
必要なのである。

さらに儒教の教科書『中庸』にいわく

「人一たびにして之を能くすれば、
巳之を百たびし。、
人十たびして之を能くすれば、
巳れ之を千たびす。

果して此の道を能くせば、
愚なりと雖も必ず明らかに、
柔なりと雖も必ず強し。」

つまり、できの悪い自分は
人の百倍努力するというわけだ。
この裂帛の気迫が
リーダーには必要なのだと思う。

リーダーシップは
部下に受け入れられてことなりたつ。

そのパワーと説得力の根源は、
仕事のすごさと、権威の正当性と
なによりお手本となる人柄である。

リーダーシップの究極の姿は
『無声指揮』だ。
だまっていてもついてくる。
そのためには修養に裏打ちされた
行動手本がなによりなのではないだろうか。

経営者諸君に問う、如何?

コンサルティングに強い御堂筋税理士法人&経営エンジン研究所
大阪 税理士 小笠原 でした。


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