御堂筋税理士法人創業者ブログ

過日、あるメーカーさんに頼まれて

その会社の課長・主任といった

初級管理者の方々の

研修をさせていただいた。

テーマは、

基準行動と経営の価値観である。

ほんとうに基本的な心がまえの

ところをしてほしいという。

依頼者は同社のナンバー2

トップを支えて、会社の主要部分を

切り盛りされている方だ。

まず、研修に先立って

会社を訪問させていただいた。

なんといっても

現場と社員の方々が

どんなだかこの目で

確かめる必要があるからだ。

同社は、われわれも

毎日お世話になっている

設備のある部品で

トップシェアを誇る企業である。

創業からまもなく半世紀

目立たないが

圧倒的なニッチOnly1企業である。

工場を拝見させていただいたが

整理整頓が行き届き

管理水準としつけの高さを

彷彿とさせるところである。

さらに研究部門も

拝見させていただいた。

オリジナルな検査装置が並び

ここが経営の要諦だなと感じる。

さて組織図や会社案内などを

拝見しながら

トップの方とも面談させていただき

研修の打合せをさせてもらった。

組織図を拝見して気になるのが

トップの部長兼任である。

また組織図には

お2人の部長のお名前が

書かれてあるが

実のところ話にあがらないことである。

お一人は

業務部門のベテラン女性で

もうすぐ65歳だという。

別のお一人も

ベテランの方で

大企業からシニアで

来ていただいた方らしい。

ということでもうシニア年代

今さら基準行動など

お話するのも失礼なこと

よろしいんじゃないでしょうかと

メンバーから外していただいた。

さて、研修の当日

午前と午後に分かれていただき

3時間ずつの講座を行った。

参加者は午前6名、午後7名

まずは皆さんに

「管理者にとって大切な心構え、

学ばなければならないことはなにか?」

と問いかけて、

グループで話し合ってもらった。

・部下の手本となる。

・部門のしごとの促進

・部下の話をよく聞く。

・トップと部下のリンク役となる。

少し質疑応答していると

すぐに皆さんの日毎のなやみ

課題が出てきた。

この会社の場合は

トップと彼らの意識のちがい

から生じる中間層としての

気の使いようだ。

いくつか質疑応答を重ねて

私なりにこの会社の

経営の歴史を

あらかた理解させていただいた。

ここらへんがわからないと

研修の進め方が

とんちんかんになる。

さて、そうした点を踏まえ

テーマである

基準行動と価値観について

いっしょに学んでいった。

私は人材育成の段階を

建物として考えている。

建物の基礎は

価値観と基準行動とよみかきそろばんだ。

1階は

読み書きそろばんと仕事の専門スキルだ。

2階が

マネジメントスキルと経営学である。

だから基準行動と価値観は

基礎となる。

基準行動は6つの分野からなる。

・あいさつと気づき

・整理・整頓

・早起きと時間を守る意識

・計画・連絡・準備

・報告・連絡・相談と後始末

・身だしなみ

いずれも、

ビジネスでリーダーとなるための

ベースとなる

他者から「信頼される人」と

評価されるために

必要な行動パターンと外観である。

ある人の言動行動の束から

他者がその人についてもつ

人間的印象を人柄というのではないか。

ならば、言動を整えることで

人柄を変えることができる。

こうした考え方を「行動主義」という。

行動を変える→習慣化する

→相手のもつ印象が変わる

→相手の態度が変わる

→自己の運命が変わる

よくいわれる運命の法則である。

インストラクションを通じて

参加者のテーマへの

向き合い方や理解度を探る。

理解力と素直さ

多少のばらつきはあっても

全員、許容範囲内である。

これなら育てがいがあると感じた。

後半は価値観のお話だ。

実はこの価値観の説明が

なかなかむずかしいと感じている。

ビジネスとは、

お客様の問題解決である。

それゆえ、

「お客様の問題は私の問題である」

このスタンスが基本だ。

そうしたスタンスは

どんなこころの作用から生じるのか?

ここが価値観の源泉だ。

ちなみに経営者には

使命感が必要だが

そのエネルギーを供給するのが

価値観である。

それは二つの哲理・原理からなる。

ひとつはビジネスが

社会分業に基づく

他者へのお役立ちである

ことから生じる。

その哲理は儒教哲学に

助けを借りなければならない。

それは受生の恩への感謝の念を起こし

それを他者へのお役立ちで恩返しする

という思想だ。

これを「謝恩」と「報恩」という。

そのためには

一度だけの人生を

瞬間々々精いっぱい生きるという

覚醒も必要だ。

もうひとつは

さきほどの運命の法則を

別なことばで言いかえたものだ。

いわく

「原因」と「結果」の法則である。

周囲の環境は私が創っている

あるいは

私が変れば環境は変わる

という原理である。

これがわかれば

飛躍的に人は成長する。

なぜなら自己変革が

可能になるからだ。

つまり

回りと自分に価値を生む

言動をとれるようになるからだ。

よく「あの人は変ったね」

といわれる場合、

その人の内面に生まれる

気づきがこれである。

そのために

どのような心がまえが必要か

また、どのように訓練するか

この方法の紹介が

今日のテーマである。

それは修養といい、

読書と言動を慎むことで行う。

というわけで

このお話を、できるだけかみ砕いて

お話をさせていただいた。

この会社の課題は

トップと初級管理者しかいない構造と

その意識の差をどう詰めるか

そして彼らの中から

幹部を育成することである。

その方法論は明確だが

そう一朝一夕にはなしえない。

今日のお話は

その本の入り口だった。

まずは参加者の皆さんから

研修のレポートをいただき

その印象を依頼者に

フィードバックすることとし
よう。

会計事務所の可能性を追求する


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