事実に基づいた経営をせよー③
2017.07.08
読書と修養
事実に基づいた経営をせよの3回目です。
切り口は6つありますが、
今回はそのうちの4~6をご紹介します。
(4)戦略がすべてである
常識
→戦略の正しさが
成功の原因のすべてである。
事実
→実際には、偶然など
歩きながら出会い
それに適合していくのである。
あまりに選択と集中で限定すると、
ほかの可能性を摘み取ってしまうかも
方策
→「(MBAのプログラムについて)
何でそんなに頭が良い生徒に、
成功の秘密を教えるのに
2年もかかるんだい?
顧客の声を聴け、
従業員の声を聴け、
そしてそのとおりにやれ、
それだけだろう?」
(SASの創業者、ジョン・ソール)
オペレーション上あるいは実行の問題と
戦略の問題を取り違えるな。
シンプルに考え、試行錯誤する。
戦略への注意と実行への注意をバランスさせる。
「戦略は重要だ。
何をするべきかを理解することは重要だ。
そして、それをどれほど
効果的に実行するかも
おなじくらい重要なのである」
(アンディ・グローブ)
(5)変わらなければ死ぬ
常識
→M&A、統合ソフト、人事システム、
品質管理、BPR、レイオフ、
新プロジェクト、起業…
事実
→効果性?副作用?人心の疲れ?
変革が効果的な場合
➀人々が現状に不満をもっている
➁方向性がはっきりしており
人々がその方向に集中できる
③人々が謙虚だが
成功への大きな自信にあふれている
…プラシーボ効果、ピグマリオン効果
➃変革が、
混乱や不安に耐えなくては
ならないものであるとわかっている
方策
→事実に基づいた
変革のアプローチで、
リスクや苦痛を減らすことはできる。
変革は、リスクが伴うのものであると
理解し、迅速に実行する。
「ばんそうこうはサッとはがす」
変革の前にすべき自問
→今の手法よりよいか?
時間・混乱・コストを考えても
価値があるか?
みせかけで十分では?
会社にとっては悪いことでは?
人々が疲れ切っていないか?
人々はいろんなことを学んでいけるか?
やめることができるか?
「やる気のある試行錯誤は
優秀な計画に勝る」
(IDEOの基本哲学)
(6)偉大なリーダーは
組織を完全に掌握すべきである
常識
→組織の有効性と業績は、
リーダーひとつで決まるので、
強力なリーダーシップと
莫大な報酬が要る。
事実
→リーダーシップは業績に影響する。
特に小企業ではそうだ。
だからこそ実績のある
経験豊富なリーダーが重要だ。
一方で、リーダーだけが
注目されすぎの感がある。
最高のグループは
最高の個人よりも常に上である。
組織をコントロールしない方がよい
→無声指揮
方策
→リーダーが
最高のインパクトを与えるのは、
権力と卓越したスキルを持つ
少数の人々が、
あまり重要でなくなるしくみを
つくるときである。
リーダーシップのもっともよい見方は、
組織のしくみ、チーム、企業文化の設計者、
つまり他の人々が成功するための
土台をつくる仕事と考えることだ。
リーダーの役割が
もっとも組織に貢献するためには、
ガイドすることと聞くこと、
教えることと学ぶことの
バランスをうまく取らなければならない。
もっとも効果的なプログラムは、
リーダーの経験をさせ、
それに対して
フィードバックを与えていると指摘する。
優秀なリーダーとは
コントロールしているかのように
振る舞えるほど頭がよく、
しかし権力に振り回されたり、
本気にしすぎたりしないほどの
知恵があるということだ。
リーダーのもつべき態度
➀影響力をもち、
自信満々のように行動しながら、
未来について語る。
リーダーシップの
コントロールサイクルを理解する。
コントロールしているかのように
言動する
→キーメンバーが
それが組織に
大きなインパクトを与えると信じる
→組織に変化が生じる
→組織の変化は
リーダーが起こしたのだということになる
→リーダーは自分の言動が
実際に組織と業績にインパクトを与えた
と信じるようになる。
自信は自己達成的で、
自信をもってふるまえば、
物事はよい方向に働くので、
その自信は正当化される。
→口笛効果
➁褒められるときはほめられ、
ある程度の非難は甘んじて受け入れる。
多くのリーダーは、
特に謙虚な人ほど
「私たちは」という言葉を使い、
成功は社内のみんなのおかげだと
主張する。
③限られたいくつかの大切なことに集中し、
それを繰り返す。
④自分がなんでもできると思うことは
組織を崩壊させる。
万能感を自重する。
まちがったときに
率直にそう言ってくれる人間と
いっしょにいることで、
権力の壁を低くし、
自分はえらいのだ
という幻想を打ち砕く。
ときには優れた選手に
何も言わずにやらせることが、
アドバイスをしたり、
タイムアウトを取ったり、
激励することと同じくらい重要である。
会計事務所と
経営コンサルティングの融合
御堂筋税理士法人&
組織デザイン研究所
小笠原 でした。