御堂筋税理士法人創業者ブログ

要約

1 MIPQは、POST経営のP(戦略計画)の具体的な内容であるマーケティング・イノベーション・生産性・品質を言う
2 MIは、企業の価値創造のみなもとであり、その元は顧客に訊くことである
3 PQは、企業の利益創出の条件であり、その根源は制約資源の解放であるが、その場合品質は絶対条件となる

1 MIPQの意味合い

 前回、経営者が自らのビジネスとそれを表わした数字を見る場合に、数字(業績と財務)の視点、ビジネスの視点、そして価値の視点の3つがあることを話しました。
 その中で、2つ目のビジネスの視点は、経営にはさまざまな側面がありますが、そのどれについても研究者や先人が築いてきた考え方の定石があり、経営者は少なくともそれらを学び、それに基づいて企業活動を見るその視点を言います。
 私は、前回までで自分なりに噛みくだいたドラッカー流の経営のあり方を『POST経営』という考え方にまとめました。POSTの考え方は、経営の中身、Pと経営の進め方、OSTの二つに大別されます。その内の経営の中身、Pをさらに噛みくだいたものがMI PQ(マイ・ピーク)となります。
 つまり、MIPQとは、POSTを実践していく場合の収益をあげる内容、P(計画)について、経営戦略の発想と計画、そして実行の内容を指します。それは、M:マーケティング(ブランディングを含みます)と I :イノベーション、そしてP:生産性(Productivity)とその根底をなすQ:品質から成り立っています。

2 MIPQの個々の内容

 ドラッカーは、マネジメントの根本課題は、マーケティングとイノベーション、生産性の追求だと言っています。したがって、P(計画)の基本的内容は、その2つとなります。
 マーケティングの基本課題は、戦略的な顧客の絞り込みとそのユニークな問題解決、および製品・価格・流通チャネル・販促の4Pの追求とマネジメントです。イノベーションの基本課題は、アイデアの想起、具体化、事業化です。
 一方、生産性は事業の経済的側面の必要条件で、それは、限界利益÷制約資源(時間・能力・資金など)、つまりOutput ÷ Restricted Inputで表わされ、その課題は、1 価値再定義、2 構造再設計、3 ムダの排除、4 成長と育成する、の4つに構造化されます。さらに生産性を考える場合、品質の追求は、CS・コスト・ESなどの生産性に影響を及ぼす重要な要素となり、品質の追求は企業を挙げた重要な推進課題となるのです。品質の重要性については、トヨタの企業としての取り組みについてぜひとも本を読んで学んでください。

3 M(マーケティング)とI(イノベーション)

 よい会社にする≒高業績企業を創るための方策は、とてもシンプルです。ねらいの顧客を特定し、その顧客のねがいをかなえる最高の方法を提供し、一も二もなくわが社からお買い上げいただくようにすることです。
 そのためには、ドラッカーのいう『販売を不要にする』=うれるしくみづくりを追求します。その根本は、つねに顧客の立場からわが社のなすべきことを考えることです。マーケティングでは、まず「ドリルを売るな、穴を売れ」という神の言葉を噛みしめ、それを習慣化することです。そして、顧客をよく観察し、顧客に訊くのです。
 それを推進するために、顧客の視点から、品揃え・値段・販売チャネル・販促のあり方をみんなで考えます。これらの4つはよく4P(Product、Price、Place、Promotion)と言われますが、4C(Customer Value(顧客価値)、Cost(顧客コスト)、Convenience(利便性)、Communication(コミュニケーション))という方が正解でしょう。さらに、そのために商品やサービスの創造と開発に努力します。それがイノベーションの一分野です。イノベーションは、顧客の観察→アイデア想起→クイック試作→顧客テスト→上市の流れとなりますが、とにかく仮説→実験→検証というサイクルをいかに速く回すかがポイントです。

4 P(生産性)とQ(品質)

 生産性は、利益を生み出す根源のもう一方の核です。それは、いかに限られた人・モノ・カネを活かすかという課題です。この限られたということがポイントで、それは“増やせなくて、ボトルネックとなる”という意味です。
 そういう意味で、もっとも制約となるのは、人に与えられた時間、特に経営者の時間です。経営者が愚にもつかぬことに「現(うつつ)を抜かす」とろくでもないことになるのです。ですから、経営者は、一刻たりとも時間を浪費することは許されません。それ以外にも、制約条件があります。営業力、創造力の欠如、設備の能力などです。いずれにせよ、生産性を高めるには、まず何よりもわが社の成果を制約しているものは何かを特定することです。
 その場合に、品質は致命的な課題となります。それは、顧客は品質の悪いものは買わないからです。トヨタの来し方、考え方をよく読むと、品質が、最高のCS(お客様満足)・最少のコスト・最高のES(社員満足)・最高の生産性のみなもとになっていることがよくわかります。

まとめ

 次回以降、このMIPQの4つの要素についての考え方、それは研究により確立された定石ですが、それらを順々に紹介します。経営者、幹部の方々は、経営のプロ(お金をもらっているのでしょう!?)ですから、しっかりとその構造を理解し、全員で推進していってください。そのためには、なによりも各テーマについての推進母体、つまりプロジェクトチームの設立とリーダーの任命をしてください。

【図;MYPQの内容】

関連記事

Noimage 高業績企業づくり

ようやく、製造業の経営改善のストーリーを執筆し始めました。

Noimage 会計や税務のこと

ほとんどの中小企業は組織とマネジメントの整備がなされていない-経理篇

Noimage 高業績企業づくり

すばらしい構想力とエネルギー

Noimage 経営者へのメッセージ

ポイントをお教えします-ニーズに適した税理士を選ぶ

Noimage 経営者へのメッセージ

ドラッカー経営を中小企業で実践する 第2回 中小企業経営のポイントその1 ニッチNo1戦略」

Noimage 高業績企業づくり

久保先生のご指導は目からうろこの連続!〜第3回御堂筋生産革新研究会

Noimage 高業績企業づくり

孫子の兵法をまとめるー戦術の基本の考え方

Noimage 経営者へのメッセージ

かんたんな西洋哲学史、それに対する東洋思想の位置づけ、そして思想と価値観を涵養していくことについて〈連載その2〉