御堂筋税理士法人創業者ブログ

コミュニケーションの大切さは

いまさらいうまでもない。

 

弊社のような接客業においては、

なおさらそうだ。

 

しかるに、新人の

それに関する能力は低く

ハラハラドキドキさせられる。

人類の創生以来のテーマである。

 

そこで、

人材育成の一翼を担う立場として

コミュニケーションとリタラシー

についての基準を作ってみた。

 

これは、来年から経営計画書に載せ、

これにより、社員訓練の場で、

教育していくためのものだ。

 

以下はその抜粋である。

 

――――――――――――――――

1 コミュニケーションの基準

1-1 原則

  コミュニケーションは、

人間の生きざま、

人生の中核にある活動である。

 

仕事においては、内容とならんで、

コミュニケーションの取り方が、

その人の評価を決定する。

 

故に、コミュニケーションについて、

私たちは

その重要性をしっかりと理解し、

その取り方をしっかりと習得する

必要がある。

特に、新人のときに、

それをきちんと身につけることが

大切である。

コミュニケーションは、

通常の範囲内では、

しすぎて失礼なことはない。

しないことによるリスクを

取らないことが重要である。

コミュニケーションの形式は、

会話(直接、電話)、

文章(メール、SNS、手紙など)であるが、

ことがらに応じた適切な形式をとること。

1-2 会話
 

人間は、自分の話をするのが

好きなものだ

(もちろんそうでない人もいるが)。

他人に話を聴いてもらうと

うれしいものだ。

 

従って、会話の基本モードは

聴くことである。

特に、年長者、お客様などにはそうである。

 

その場合、相手の話をよく聴く、

そして質問する。

相手の話を聴くと、

有益な情報がたくさん入ってくる。

 

自分の話をするのは、

質問されたときだけでよい

(もちろん、仕事で説明したり、

情報を提供したりする場合は別だが)。
 

会話のモードには、

議論(Discussion)と

対話(Dialogue)がある。

議論(Discussion)の原義は、

分かれて叩くである。

 

対話(Dialogue)の原義は、

言葉を通じて(ひとつになる)

である。

 

科学は議論によって、

真理を追究するが、

価値は対話によって、

真理を追究する。

 

私たちは、学校教育において、

主として

前者により教えられているが、

後者は

おざなりにされているのが実情である。

 

日常生活においては、

気持ちを通じ合わせることが、

人間関係の構築において前提となる。

したがって、私たちは、

対話の力を磨かなければならない。
 

対話力を身につけるためには、

コーチングのスキルを

磨くことが効果的である。

 

コーチングにおいては、

ラポールを築く、傾聴する、質問する、

承認する、フィードバックするという

5つの技術を磨く。

 

わが社のメンバーには、

コーチングの技術を習得し、

錬磨していってもらいたい。
 

会話においては、謙虚である、

傾聴する、先手を打つ、

お礼をいうことが大切である。

 

謙虚とは、

相手がそれくらいのことは

ご存知であるという

前提にたって配慮することをいう。

 

傾聴とは、

相手をしっかりと観察し、

素直で熱心に耳を傾けることをいう。

 

先手を打つとは、配慮や気づかい、

怪訝に思った折には

こちらからアプローチすることをいう。

 

お礼とは、お世話になったら

必ず翌日朝に一報を入れることをいう。

1-3 文書

 文書には、定まったかたち

があるのが基本である。

まず新人は、この形を覚えることだ。

 

文書には、対外文書、内部文書、

それに手紙類がある。

それぞれの基本を

マスターしてもらいたい。
 

ことばの調子(語調)は

ていねいに越したことはない。

 

語調としては、

拝啓調(最丁寧)、

前略調(丁寧)、

簡略調(ですます)を使う。

 

例えば👍などのような

友人に対してのSNSモード

(単なる記号返事)は

絶対に使ってはならない。

 

2 リタラシー

2-0 原則

読み書き能力は、

計算能力と対をなして、

基礎的なしごとの能力である。

 

きちんとした文書・文章を作れると、

ビジネスマンとして

一目置かれるようになる。

 

したがって、

適切な文書・文章の作成能力は、

不可欠のスキルである。
 

別紙のテキストにおいて、

ビジネス文書を網羅し、

その作成法とポイントを示す。

 

皆さんは、それらをよく理解し、

その上で、参考図書を活用して、

適宜適切に

文書を作れるようにされたい。

 

ところで、直筆による文章は、

とても効果の高い

コミュニケーション手段である。

 

皆さんには、併せて

ペン習字のトレーニング

をしておいてほしいと願っている。

 

そして、お客様との接点などから、

手紙やはがきを書く機会を探し、

ぜひ直筆での手紙やはがきを

書く機会をもってほしいと思う

(小職も若い頃何度も練習し、

多少きれいな字が

書けるようになり、ずいぶん得をした)。

…以下、文書、メール、

プレゼン資料、図表などの

書き方について説明し、訓示する。

 

3 文章力を磨くには本を読め

(森信三先生口述『修身教授録』より)

読書は人生において重大で、

体験も読書に照らして血肉になり、

確信を得て判断できる。
 

読書の人生における意味は

非常に重大で、

学問・修養も読書抜きでは

とうてい考えられない。
 

読書の人生に対する意義は、

「心の食物」ということばが

もっともよく当る。
 

人生における深刻な経験は

優れた心の養分だが、

読書による教えの光に

照らしてみない限り、

いかに貴重な人生経験といえども、

その意味がないばかりか、

時には自他ともに

傷つく結果ともなる。
 

これはちょうど劇薬が、

うまく生かせば良薬にもなるが、

知らなければかえって

人びとを損なうのに似ている。
 

人間の内面生活の半ばは

読書に費やし、他半分は

かく知り得たところを実践して

現実上に実現していくこと。
 

多くの人が

それに気づいていないのは、

その人がおめでたく

大した志ももたないからである。
 

真に大志を抱き

実現していこうとする限り、

何より偉人や先哲の足跡と、

こもる思想信念を探る以外

道はない。

読書はかように

心の養分であるから、

一日読書を廃したら、

それだけ真の自己は

へたばるものと思うべし。
 

今日自分は心の食物として、

何をとったかと反省してみれば、

だれだって

そのことはわかることである。
 

真の確信なくしては、

現実の処断を

明確に断行することはできない。

真に明確な断案というものは、

どうしても道理に通達することによって、

初めて得られる。

そこで偉大な実践家というものは、

一般に大なる読書家で、

さらには著述もなし得る

ていの人が多いといえる。

4 ふり返り思考について

4-1 ふり返り思考の意義

ふり返りだけが、人間を進歩させる。

 

ふり返りとは、他者(ものも含む)から

フィードバック(他者の態度や言動、

ものの反作用をそう解釈する)を受けて、

それを題材に、

より価値を生み出すために、

自らどのようにアクションすべきかを再考し、

改善していく思考と態度をいう。

ふり返りは、省察と再考からなる。

 

ふり返りのできない人は

人生と仕事において成功しがたい

重大な考え方の欠陥を有することとなる。

 

したがって、メンバーは、

ぜがひでもふり返り力を鍛え、

一定の水準に

達してもらわなければならぬ。

ふり返り力は、

弊社の人材採用における、

2大評価基準のひとつである

(他のひとつは、注意力・応用力など

いわゆる学力)から、

各自、その錬磨に修練すべく、

これを考思せよ。

4-2 ふり返りの内容

1 ふり返りの意味
Reflect・Reflection・Reflective

⇒ 反省・省察・自省
to consider or think deeply 

about sth.

(何かについて深く熟考・思考すること)
(『Oxford英英辞典』)
 

2 ふり返りの哲学的意味
 

Reflectionの語は、

光学の用語から導入された。

もともとプラトンの光のメタファーは、

思惟の働きが対象を照らしだす

という意味であるが、

 

さらに光が鏡に自己を反射させる

という鏡のメタファーと重なり、

知性が反転して

自己に向かう作用とされるようになった。

 

可視的世界への知から、

不可視の光への知への

転換としての「知ある無知」 であり、

近代哲学の「絶対的反省」の思想

へとつながっていく。

 

科学的世界知の究極的基礎づけを

人間の精神の自己確実性に求める

近代科学では、

反省はこの自己確実性への

通路であるとともに、

自己確実性に依拠する方法とされる。

 

ジョン・ロックによれば、

感覚が外界に向かう経験

であるのに対して、

反省は心的状態に向かう経験であり、

この経験的反省は

内観(Introspection)の方法として

効力を発揮した。

 

この方法的性格が、

17世紀に

とくに英国やフランスで一般化されて、

日常語のなかで「

熟考する」とか「再思考する」

態度を言い表わす語として

広く使われるようになった。

 

(『岩波哲学・思想事典』より)

 

経営コンサルティングと

会計事務所の融合

 

組織デザイン研究所&

御堂筋税理士法人

 

小笠原 でした。
以上
 

 

 


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